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【解説】各地で「史上最も早い」梅雨明け…降水量に懸念 西日本の一部では“水不足”深刻化

2022年6月28日 10:52
【解説】各地で「史上最も早い」梅雨明け…降水量に懸念 西日本の一部では“水不足”深刻化

各地で統計開始以来、最も早い梅雨明けとなっていますが、その一方で雨が少ないことでの水不足も懸念されています。

「雨が少ない!」
「取水制限も」
「関東でも“注視”」

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■各地で「史上最も早い」梅雨明け 降水量に懸念…

28日、九州北部、四国、中国、近畿、北陸が梅雨明けしました。いずれも、統計開始以来、最も早い梅雨明けです。山口・光市の海水浴場では28日、午前中から強い日差しが照りつける中、浜辺で遊ぶ親子連れの姿などが見られました。

関東も27日、梅雨明けしましたが、梅雨の期間はかなり短かったです。梅雨が短いことで懸念されているのが、降水量の少なさです。

気象庁による5月1日から6月25日までの降水量を色で示した地図があります。平年と比べて降水量が91~100%のところは青色、やや少ないところは水色、平年よりだいぶ少ないところはオレンジ、平年の1~9%となったところは赤色、それ以下は濃い茶色で表示されています。中国地方と四国地方には赤色と茶色が多く表示されており、降水量の少なさが際立っています。

■西日本の一部で“水不足”深刻化

“四国の水がめ”とも言われている高知県内にある早明浦ダムでは、ある状況が起きていました。

早明浦ダムではダム湖の水が減っており、27日にはダムに沈んだ旧大川村役場の屋根の部分が70センチほど水面から出てしまっていました。徳島県にある水資源機構池田総合管理所によると、「旧大川村役場が6月に現れたのは2009年以来」だということです。

国土交通省の四国地方整備局によると、早明浦ダムの貯水率は28日午前0時現在で34.9%でした。平年のこの時期には86.5%はあるはずだということで、いかに今の貯水量が少ないかが分かります。

四国地方整備局は「このまま雨が降らなければ、来月中旬にも貯水率がゼロになる可能性もある」としています。さらに担当者は「年間の降水量は毎年、おおむね同じ水準だけに、今、降っていない分、今後、一気に雨が降る可能性を心配している」として、水不足だけでなく災害への備えも必要になっていると話していました。

早明浦ダムでは、すでに今月5日から徳島県や香川県の家庭などへの供給率を35%カットする「第二次取水制限」が始まっています。さらに、今週末にもこれを50%にする「第三次取水制限」に入る見込みです。そうなると、「減圧給水」となり、高台の住宅などで水が出にくくなることもあるといいます。

また、福岡県では、油木ダムの貯水率が低下しており、家庭の水道水を減らしたほか、小学校のプール開きにも影響が出ています。

苅田小学校 宮城強校長
「今、水が足りないということで、残念ながら学校のプール開きも『少し待ってください』という状況ですね」

水不足で小学校のプール開きが延期されてしまいました。その後も雨が少ない状況は続いていて、いつプール開きできるのか、めどが立たない状況です。

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■関東でも水不足の懸念は…
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