森のごちそう ~学校、行けんくてもいいの?~
富山県砺波市の“みやの森カフェ”。実は不登校の子どもたちが集まる「フリースクール」。「辛い気持ちで来た人に慰める言葉がなくても『はい、これ食べて』は言えますよね」。ここには、おいしくて、あたたかくて、笑顔になる"ごちそう"がたくさんあります。
◇ ◇ ◇
こうたろうくん
「あんまり学校に行けんくなったから、ここに来るようになった」
行きづらさを抱えても、一息つけるカフェがある。週の半分はカフェ、もう半分は子どもたちのフリースクールに。
加藤愛理子(かとう・えりこ)さん
「つらい気持ちで来た人に慰める言葉がないにしても『はい、これ食べて』というのは言えますよね。力を持ってると思うんですよね。一緒に食べるということは」
水野カオル(みずの・かおる)さん
「『逃げてもいいんじゃない』って思うんですよ。逃げずに耐えて体を壊すより。学び方も自由、過ごし方も自由、ここで子どもが一旦元気になる場所と割り切ってやっていて」
カフェを開いたのは、「先生」をしていた2人。加藤愛理子さんと、水野カオルさんです。ここに集まる子どもたちの理由は学校が苦手、障害がある、などさまざまです。
「殴られたよ。それで学校行かんくなったんやけど」
「(学校は)思っていることも言えなかったりとかするので」
学校が合わなくて居場所がなくなった時、ここに来てやる大切なこと。それは、みんなでごはんを作って一緒に食べること。
加藤さん
「本当に何にもしゃべらなかった子たちが、おかず持っていったらみんな集まってきて、夜暴走している子もいれば、摂食障害の子もいるし、いろんな子が一緒にごはんを食べた。『あ、ごはんってすごいな』と思っていて」
「みやの森カフェ」に片道2時間かけて通う、小学5年生のこうたろうくん。大好きな電車の先頭に立てば、時間を忘れます。4年生のときからみやの森カフェに通っています。
水野さん
「こうちゃんにコメを9合」
こうたろうくん
「9合ね。はいはい」
水野さん
「で、5と4にしようかな」
こうたろうくん
「はいはい」
こうたろうくんは、今ではすっかり料理担当になりました。
こうたろうくん
「あんまり学校に行けんくなったから、ここに来るようになった」
料理を作って、お姉さんとお兄さんたちに囲まれて、ここにいるだけで笑顔があふれます。不登校の児童・生徒は全国で24万人を超えて、過去最多です。
こうたろうくんの母・里奈さん
「集会の途中でトイレに行きたくなってしまったら『ダメなのかな、いいのかな。行きたくなるのはしょうがないのに、どうしてそれを我慢しなきゃいけないのかな?』とか『どうして怒られなくちゃいけないのかな?』とか」
ディレクター
「(学校に行くと)体しんどくなったりする?」
こうたろうくん
「うん。たまに…。気持ち悪くなったり。行くなら、つらくないところに行きたい」
通知表に示された「24」の数字は、カフェに行った日数。学校から「欠席」とみなされました。フリースクールが出席扱いになるかは通う学校の校長の判断です。
ディレクター
「ここはこうたろうくんにとってどんな場所ですか?」
こうたろうくん
「もう1つの学校。いろんな人と関わったり学びはあると思う」
◇ ◇ ◇
5年生最後の日。
母・里奈さん
「あ、4になってる、欠席が」
こうたろうくん
「本当だ」
学校関係者は、みやの森カフェを見学。「学校に行きづらさを感じている子の居場所になっていている」と判断し、ここに通う日を出席扱いに変えたのです。学校が苦手な男の子が見学に来ました。
加藤さん
「電車好きなんだって」
こうたろうくん
「え~そうなんだ! 何これ! 初めて見たんやけど! 富山駅でしょ、何これ! めっちゃレアじゃん。へえ~めちゃすご、いいねえ~」
~キミも電車が大好きなんだね! ここで、ごはんを一緒につくろう、一緒に食べよう。ちょっとずつ、ちょっとずつ…。きっと、笑顔になれるから~
◇ ◇ ◇
2023年5月7日放送 NNNドキュメント'23『森のごちそう~学校、行けんくてもいいの?~』をダイジェスト版にしました。
◇ ◇ ◇
こうたろうくん
「あんまり学校に行けんくなったから、ここに来るようになった」
行きづらさを抱えても、一息つけるカフェがある。週の半分はカフェ、もう半分は子どもたちのフリースクールに。
加藤愛理子(かとう・えりこ)さん
「つらい気持ちで来た人に慰める言葉がないにしても『はい、これ食べて』というのは言えますよね。力を持ってると思うんですよね。一緒に食べるということは」
水野カオル(みずの・かおる)さん
「『逃げてもいいんじゃない』って思うんですよ。逃げずに耐えて体を壊すより。学び方も自由、過ごし方も自由、ここで子どもが一旦元気になる場所と割り切ってやっていて」
カフェを開いたのは、「先生」をしていた2人。加藤愛理子さんと、水野カオルさんです。ここに集まる子どもたちの理由は学校が苦手、障害がある、などさまざまです。
「殴られたよ。それで学校行かんくなったんやけど」
「(学校は)思っていることも言えなかったりとかするので」
学校が合わなくて居場所がなくなった時、ここに来てやる大切なこと。それは、みんなでごはんを作って一緒に食べること。
加藤さん
「本当に何にもしゃべらなかった子たちが、おかず持っていったらみんな集まってきて、夜暴走している子もいれば、摂食障害の子もいるし、いろんな子が一緒にごはんを食べた。『あ、ごはんってすごいな』と思っていて」
「みやの森カフェ」に片道2時間かけて通う、小学5年生のこうたろうくん。大好きな電車の先頭に立てば、時間を忘れます。4年生のときからみやの森カフェに通っています。
水野さん
「こうちゃんにコメを9合」
こうたろうくん
「9合ね。はいはい」
水野さん
「で、5と4にしようかな」
こうたろうくん
「はいはい」
こうたろうくんは、今ではすっかり料理担当になりました。
こうたろうくん
「あんまり学校に行けんくなったから、ここに来るようになった」
料理を作って、お姉さんとお兄さんたちに囲まれて、ここにいるだけで笑顔があふれます。不登校の児童・生徒は全国で24万人を超えて、過去最多です。
こうたろうくんの母・里奈さん
「集会の途中でトイレに行きたくなってしまったら『ダメなのかな、いいのかな。行きたくなるのはしょうがないのに、どうしてそれを我慢しなきゃいけないのかな?』とか『どうして怒られなくちゃいけないのかな?』とか」
ディレクター
「(学校に行くと)体しんどくなったりする?」
こうたろうくん
「うん。たまに…。気持ち悪くなったり。行くなら、つらくないところに行きたい」
通知表に示された「24」の数字は、カフェに行った日数。学校から「欠席」とみなされました。フリースクールが出席扱いになるかは通う学校の校長の判断です。
ディレクター
「ここはこうたろうくんにとってどんな場所ですか?」
こうたろうくん
「もう1つの学校。いろんな人と関わったり学びはあると思う」
◇ ◇ ◇
5年生最後の日。
母・里奈さん
「あ、4になってる、欠席が」
こうたろうくん
「本当だ」
学校関係者は、みやの森カフェを見学。「学校に行きづらさを感じている子の居場所になっていている」と判断し、ここに通う日を出席扱いに変えたのです。学校が苦手な男の子が見学に来ました。
加藤さん
「電車好きなんだって」
こうたろうくん
「え~そうなんだ! 何これ! 初めて見たんやけど! 富山駅でしょ、何これ! めっちゃレアじゃん。へえ~めちゃすご、いいねえ~」
~キミも電車が大好きなんだね! ここで、ごはんを一緒につくろう、一緒に食べよう。ちょっとずつ、ちょっとずつ…。きっと、笑顔になれるから~
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2023年5月7日放送 NNNドキュメント'23『森のごちそう~学校、行けんくてもいいの?~』をダイジェスト版にしました。