コンビニが生理用品“割引”女性の健康支援
今、女性特有の体の悩みに耳を傾ける、そんな取り組みが始まっています。これまで少し話題にしづらかった生理用品を今週から割引するコンビニが登場したり、自治体から無償提供されたりするなど、女性の健康を支援する動きが広がっています。
12日、街の人にコロナで“意識が変わったこと”を聞いてみると…。
10代女性「(コロナで)運動不足だなって思って」「新しいことしてみようかなって健康に意識向けはじめた」
自身の体のことを見つめる時間が増え“健康意識”が高まったという女性の声が。
都内のクリニックでは、今、“女性特有の体の悩み”を相談する患者が増加傾向にあるといいます。
楠原ウィメンズクリニック・楠原浩二院長「生活環境の変化っていうのは、排卵がスムーズに行われなかったっていうこともあるので、生理不順につながることは十分にあり得ますね」
在宅勤務などで生活環境が変化したことで、生理不順に悩む人が訪れるようになったといいます。
あるアンケートによりますと、感染拡大前と比べ、生理痛などの症状が悪化したと感じる女性がおよそ30%にのぼることがわかりました。
コロナで生理の悩み抱える20代女性「(生理の)周期がずれました。在宅勤務とかのストレスとかでずれたかなと」
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これまで話しづらいと、“タブー視”されてきた“生理”の問題ですが…。ファミリーマートでは、今週から新たなサービスが始まっています。豊富な種類の生理用品が、年内ずっと2%オフなんです(沖縄県は除く)。中には、「スポーツ」専用のものや、上品な花の香りがするものまであります。
急に必要になった時、便利なコンビニですが、レジに男性店員がいると“買うのが恥ずかしい”と思う女性も多いはず。
そこで、去年10月。コンビニ限定としてロリエから登場したのが、このオシャレなパッケージの商品。人目を気にせず購入でき、バッグから見えても恥ずかしくないデザインにしたといいます。
今回、コンビニが2%オフにした背景にあるのは、世界で進んでいる“生理用品の無料提供”の流れがあります。
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スコットランドでは、去年11月、公共施設での無料提供を義務化する法律が成立。ニュージーランドでは、今年6月から学校で無料配布が始まるといいます。
その流れは、日本にまで。東京の豊島区では15日から区役所などで、防災備蓄品と一緒に730パックが無料配布されるんです。なぜ、今、無料化が進んでいるのでしょうか?
豊島区・子ども家庭部子ども若者課・小澤さおり課長「生理用品で困っている人がいるんだなっていうこと、行政として何かできないかということで」
金銭的な理由などで生理用品が買いづらくなる問題、“生理の貧困”。コロナ禍で収入が減るなどして、その傾向が増えつつあるといいます。
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そうした中、銀座三越では、生理など女性の健康をサポートするアイテムをそろえた専門店が登場。
生理周期にあわせて使い分ける肌荒れ対策の顔パック。中でも、一番人気は女性客が手にとった“吸水ショーツ”です。洗って繰り返し使うことが可能でナプキンではなく、これ一枚で過ごす人もいるそうです。
娘用に吸水ショーツを購入「毎月の月経と付き合えるようになればなと思うので」
予想以上の反響だといいます。
fermata・中村寛子さん「新しい選択肢を知っていただくきっかけになってるかなと思います」
こうした女性の健康上の課題などを解決する「フェムテック」といわれる市場は、今後さらに拡大していくとみられていて、2025年までに世界で5兆円規模に成長するとされています。