4月から総額表示値段と買い物に変化は
「税抜き」「税込み」が混在していた商品の値段の表示方法が4月、「総額表示」に統一されます。「一目で分かる」と歓迎の声が上がる一方、「高くなったと思われるのでは」と消費への影響を心配する声も。値下げや値上げに踏み切る企業も出ています。
■商店街では...税抜きと税込みが混在
畑下由佳アナウンサー
「4月からお店で、商品の値段の表示が変わります。これまで『税抜き1000円』となっていたものが、『税込み1100円』とすべて税込みの総額表示になります。中にはこれを機に、値上げを検討する店もあります」
16日、都内の戸越銀座商店街を訪ねました。洋服店では税込み価格で表記されていました。その隣の生花店では、ミニブーケが税込み、他のお花は税抜きでした。表示方法は店によって混在していました。
■お店と買い物客受け止めは
商店街のお店に聞きました。
16日から総額表示の準備を始めた肉専門店では、これまで税抜き表記でしたが、「税抜き」と「税込み」の両方を書くといいます。副店長は「値段は変わっていないので、高くなったと思われたくないので、両方書くことにしました」と話しました。
ドーナツ店の店長は「税込み価格にしたとしても値上げしたんじゃないかと懸念されてしまうことはあるのかなと思います。そこで少し消費が落ちてしまう不安はあります」と気をもんでいました。
和菓子店の店主は「お客さんもその方(税込み価格)がいいんじゃないですかね。(一目で)分かるものね」と歓迎。税込み表示は税抜きに比べて高く見える一方、支払額が一目で分かります。
買い物客に聞きました。
自営業(40代)
「税抜きで意外と安いなというイメージだったのに、実際買ってみると、『けっこうするな』という時があったので、税込み価格の方が買う方も予測できていいと思います」
パート(60代)「税込み価格の方が分かりやすいです」――財布のひもが締まってしまうことはありますか「多少あるかもしれないです」
■据え置き・値上げ・値下げ...大手は
大手チェーンも対応に追われています。
くら寿司は現在、税抜きとして「1皿100円」などと表記していますが、4月からは「税込み110円」を一緒に表示します。スターバックスは、コーヒー1杯(コールドブリューコーヒー・ショートサイズ)を「330円」と表示していますが、税込みの「363円」に変更します。表示される金額は変わりますが、支払う金額は変わりません。
また、これを機に商品の価格そのものを変える企業もあります。ユニクロ・GUはこれまでの「税抜き価格」をそのまま「税込み価格」として販売します。実質、約9%の値下げに踏み切っています。一方、モスバーガーが切り替えに合わせて価格を見直し、6割のメニューで値上げすることを決めました。
(3月16日『news zero』より)