大豆ミート次々と 本物と変わらぬ味と食感
大豆を使って肉に近づけた大豆ミート。どのように進化したのか、その開発の現場を取材しました。
イトーヨーカドーの精肉コーナーに陳列されたのが、「大豆のお肉」と書かれた商品です。
肉は肉でも原料は大豆。その名も「大豆ミート」です。あの「カップヌードル」の「謎肉」にも使われていることで以前、話題にもなった製品。一般的な合いびき肉と比べると、茶色っぽくてそぼろ状。値段は同じ量で半額以下と、お手頃です。
イトーヨーカ堂・マルシェ部 尾ヶ井徹さん「この先間違いなく広がっていくと考えている」
消費者のニーズを高めたい思いから、あえて精肉コーナーに陳列。
大豆ミートを購入「割と手軽にオムレツとかにいいかなぁと試してみようと」
また、「イオン」でも、16日から大豆ミートのミンチを先行発売。こちらの見た目はひき肉そのものです。
イオンリテール・畜産商品部 正木伴征さん「1つの『代替肉』、新たな食材としてお客様に選択して頂きたい」
スーパーで本格販売が始まった大豆ミート。国内の生産量は、10年前から去年にかけて5割以上増加しています。しかし、消費者の中には。
大豆ミートを購入しなかった人「ちょっと味が心配というか」
どんな味かわからず手が伸びない人も。牛肉や豚肉の代用品になるのでしょうか。私たちはイオングループのプロジェクト会議に密着していました。
イオントップバリュ畜産商品部・花島泰弘さん「豆臭いおからの臭いをどれだけ抑えられてるか」
目指すのは本物の肉と変わらぬ味や食感です。そこで採用されたのは、新たな製法。
「土は使いません。使うのは水と空気これだけです」
「畑の肉」といわれる大豆を土壌ではなく、あえてタンクの中で生産。すると、特有の臭いが減少した上、ビタミンやミネラルが増え、うま味が増したというのです。
そして、ピーマンの肉詰めなどさまざまな肉料理に適合するのか。試食と採点を繰り返します。「ひき肉と変わりなくおいしいです」と理想の味にたどりつきました。
「普通の肉の商品と同じような商品を、お客様にご提供したい」
「大豆ミート」を使った「オンラインで料理教室」も開かれています。炒めたタマネギのみじん切りに大豆ミートを投入。赤ワインとトマトジュースで煮こみます。これをパスタに盛り付ければ、大豆ミートのボロネーゼの完成です。
ラ・ベットラ・ダ・オチアイ 落合務シェフ「(一部に)本当のお肉を入れても良い。もっともっと使い道増えてくと」
そしてこちらは、植物性の食品だけを提供する飲食店。例えば、17日に発売したホットサンド。ハムに使われているのは豚肉ではなく「大豆ミート」です。
コメダ珈琲店・事業推進本部 上石安寿さん「植物性ベースの食事をすることで『お肉を休む日を作ろう』が合い言葉です」
こちらのいちごサンドの生クリームも豆乳で作られています。こうした植物由来のメニューを開発する理由は、植物由来の食品を使うことで温室効果ガスを排出しない思いがあるといいます。また、人口の増加による、食肉の供給量不足を懸念する声もあがっているのです。
地球環境にもやさしい、植物由来の「大豆ミート」。今後も広がりが加速しそうです。