抗ウイルス薬の効果検証「オミクロン株の増殖を抑制」“世界初”研究結果を発表
東京大学医科学研究所の教授らが、新型コロナウイルス感染症の抗ウイルス薬が、オミクロン株の増殖を抑制するとした世界で初めてという研究結果を発表しました。
東京大学医科学研究所の河岡義裕特任教授と、国立感染症研究所の高下恵美主任研究官らの研究グループは、培養したオミクロン株に対する新型コロナウイルスの治療薬の効果を検証しました。
まず、4種類の抗体薬、バムラニビマブ・エテセビマブ、カシリビマブ・イムデビマブ、チキサゲビマブ・シルガビマブ、ソトロビマブが感染を阻害するか調べました。
その結果、バムラニビマブ・エテセビマブとカシリビマブ・イムデビマブのオミクロン株に対する感染を阻害する機能は、著しく低いことがわかったということです。
それに対し、チキサゲビマブ・シルガビマブとソトロビマブは、感染を阻害する機能を維持していることが判明したということです。
次に、2種類の抗ウイルス薬、レムデシビルとモルヌピラビルの効果を解析したところ、いずれもオミクロン株の増殖を抑制することがわかったということです。
河岡教授らは、引き続き、動物モデルでもオミクロン株に対する治療薬の効果を検証する予定で、医療現場での適切な治療薬の選択や行政機関の感染症対策計画の策定などに役立てたいとしています。