実行役リーダー格に無期懲役の判決 “ルフィ事件”東京・狛江の強盗致死
指示役「ルフィ」らによる一連の強盗事件のうち、東京・狛江市で90歳の女性が死亡した事件などで起訴された実行役の男に対し、東京地裁立川支部は7日、無期懲役を言い渡しました。
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男は、人生をこう振り返っていました。
「こんな人のことを傷つけるだけの人生なんて嫌でした」
永田陸人被告、23歳。闇バイトで罪を重ね、無期懲役の判決が下されました。
世間を震撼(しんかん)させた連続強盗事件、通称“ルフィ事件”。永田被告は6つの事件の実行役として強盗致死の罪などで起訴されました。
90歳の女性が亡くなった狛江市の事件では…
永田被告
「指示役から『一発喝をいれてきてください』と言われ、女性の胸ぐらをつかみ、あごを殴った」
「『娘や息子を殺すぞ』『家を燃やすぞ』と女性を脅した」
闇バイトに手を染めたきっかけは、借金をしてでものめり込んだ競艇のため。実行役として犯行を重ねる中で…
永田被告(10月の被告人質問)
「『強盗』で逮捕されたら何年くらい刑務所にいるのか調べました。『強盗致傷』などを知らなくて、パクられても(逮捕されても)5年だと。どうせパクられるから、何回やっても変わらない」
逮捕されてから、罪の重さを知ることになりました。
永田被告(10月の被告人質問)
「無期懲役か死刑だと知った。無期懲役は最低でも刑務所に30年と聞き、30年も刑務所にぶち込まれるなら、死んだ方がましだと思った」
死刑になるために、悪態もついたといいます。
永田被告
「護送時にわざと中指を立てたり、わざと入れ墨を見せたり、笑ったりした」
その後、遺族の苦しみを知ったという永田被告。法廷では、遺族のために「死刑」がふさわしいと、何度も主張しました。
永田被告(10月の最終意見陳述)
「責任を果たすには死刑がふさわしい。私のことは一切考えないでください。被害者遺族の気持ちだけを考えて、極刑を下してください」
7日に迎えた判決。裁判長は…
裁判長
「被告人を無期懲役に処する」
「永田被告は致命的な暴行を自ら行い、または主導し、実行役の中で責任が際立って重い上、指示役の指示にただ従っていたわけではなく、他の実行役を指揮し、果たした役割は相当大きい」
中でも狛江市の事件については、「犯行態様は拷問ともいうべき、執拗(しつよう)で極めて残忍なもの。(被害者が)苛烈な暴行を受けながら詰問され続けた恐怖、苦痛がいかほどかは、想像を絶するというほかない」と指摘しました。
裁判長
「被告人に謝罪の気持ちがあるなら、償いとして何ができるのか、刑に服している間、ずっと考え続けてほしい」
「うん、うん」と、時折大きくうなずきながら、はなをすすった永田被告。裁判長に一礼し、法廷をあとにしました。