元「2世信者」と両親 “合同結婚”迫られ… 家出ても選挙の際にはLINE
安倍元首相の銃撃事件以来、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”に注目が集まっています。28日夜、元「2世信者」の男性に話を聞きました。
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男性は、教団の合同結婚式で結婚した両親を持つ元「2世信者」です。
元「2世信者」の男性(20代)
「世間で騒がれているように、献金をずっとやってきた家系。常に借金がある状況を母親とか父親に知らされていたので、節約をしてなるべくぜいたくはしないような生活をやらなければいけない」
教団の活動を優先するため、家族の時間はほとんどなかったといいます。それどころか、男性の両親は、男性名義で奨学金を必要以上に借り、献金など教団関連に使っていた可能性があるといいます。
元「2世信者」の男性(20代)
「(親が)大学の奨学金を全部私(の名義)で借りて。両親に『いくら借りたの?』って聞いたことがあるんですけど、『1000万円借りていた』って話だったんですね。私の学費って入学金とか込みでも600万円くらいしか必要ないはずなので、『残りの400万円どうしたの』って親に聞いたら『一部は家庭のお金に使った』」
一方で、「2世信者として生まれた」男性に、両親が迫ってきたのが“合同結婚”でした。
元「2世信者」の男性(20代)
「『祝福結婚(合同結婚)の準備をしてみてはどうだ』ということで、話がポンポン進んでいってしまって、もうすぐで祝福結婚というところまできていたんですけど、“統一教会”の結婚に踏み切るのが怖くて、精神的にストレスを抱えてうつになった」
自由な恋愛は認められず、教団が紹介した相手との結婚を強要されていたといいます。いまは家を出て、交際中の女性と暮らしているという男性。実は、この交際相手は――
元「2世信者」の男性(20代)
「自分と同じような立場の信仰のない祝福2世の方とお付き合いしていて」
SNSで同じ境遇の人を探すなかで出会った、元「2世信者」の女性です。
元「2世信者」の男性(20代)
「なかなか宗教の問題って、(同じ)立場の人間じゃないと理解できない。同じ立場の人間であれば、自分の気持ちを素直に話せる」
結婚も考えているといいますが…
元「2世信者」の男性(20代)
「父親的には『いますぐ別れろ』みたいなスタンス。(親は)『子供はちゃんと祝福結婚を受けて、正しい信仰生活を送ってほしい』という気持ちが強い。祝福を受けてほしいというのが、私の両親も彼女側の両親も思っている。(このまま結婚しても)どちらの両親も、心から祝ってくれるような状況じゃない。自分の幸せを願ってもらえないのは、すごく悲しい事実だと思っている」
家を出てからも、両親の影響は残っているといいます。それは恋人との関係以外でも…。去年、衆院選の際に、母親から送られてきたLINEを見せてくれました。
男性の母親から届いたLINE(去年10月)
「本日から期日前投票できます」
「江東区推したい人がいます」
「江戸川区もいます」
元「2世信者」の男性(20代)
「選挙があるたびに『この人に投票してほしい』と母親から言われる」
特定の候補者に投票するよう指示が出ていたといいます。
男性は「両親はずっと教会の教えに忠実に従っているので、いくら(自分が)教会から離れたとしても、ずっと教会に縛り付けられている。教会の事情で息苦しさを抱えながら、生きていかなきゃいけない」と締めくくりました。
(7月28日放送『news zero』より)