“統一教会”「2世信者」の苦悩 子供のころ“文鮮明氏の血が入っているとされるワイン”飲まされ…
“統一教会”の「元2世信者」が取材に応じ、文鮮明氏の血が入ったとされるワインを飲まされていたと証言。自宅には高額なつぼなどが飾られる一方で質素な生活を送っていたことを明かしました。安倍元首相の銃撃事件後、教団について発信を始めると、同じ悩みを持つ2世信者が少しずつ声をあげ始めたといいます。
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元2世信者 嘉陽田恵利さん
「(両親が)合同結婚式に参加して生まれた2世です。信者同士の子供なので、『真の神の子』と呼ばれていました」
兄弟3人とも生まれながらに2世信者として、信仰をしていたといいます。
――(家族は)かなり献金はしたのですか?
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「そうですね。数千万だと思います。母は20歳で入信して、月3万円で生活していたそうです。それ以外の給料をすべて献金して、教会に財布を握られているみたいな」
高額なつぼなどが家に飾られる反面、質素な生活を送る日々に、嘉陽田さんは徐々に信仰に違和感を覚えたということです。
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「小学生くらいの時、文鮮明氏の血が入っているとされる赤ワインを教団に飲まされていました。子供ながらに飲むお酒はまずくて、気持ち悪かった」
――教団から抜けたのはいつ?
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「教会に行かなくなったのは、中学生くらい。(両親に)『私はもう行かない』」
――お母さんはどう?
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「真の神の子なんだから(とひきとめた)」
一方で、嘉陽田さんの兄は教団が決めた相手と結婚しました。
――信仰を続ける2世は多い?
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「子供って、親に好かれたいじゃないですか。『親の言うこと聞かなきゃ』って思いがある。だから抜けられないっていう2世は(多い)」
教団から抜けたくても、抜けられない信者たち。嘉陽田さん自身も2世用のホットラインを頼っているということです。
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事件後、嘉陽田さんは旧統一教会について発信を始めたということです。すると、嘉陽田さんの元には、見知らぬ信者から「私も2世です」「自分は絶対逃げ出したいという思いが強いので」などのメッセージが届きました。
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「『私も2世です』って(打ち明けてくれる人が増えた)」
2世同士のつながりが生まれていました。
元2世信者 嘉陽田恵利さん
「今、SNSや顔を隠して発信できる場所があるので、それで『自分は2世です』って(言える)。『相談にのってください』とか」
同じように悩む信者が、少しずつ声をあげ始めているのです。
2世信者の悩み・逃げ場について、嘉陽田さんは「2世の悩みって、一番は周りに話せないことだと思うんです。そういうのを聞いてあげる場所が必要だと思う」と指摘しました。
(7月18日放送『news zero』より)