モデルナ製ワクチンに異物 一部使用中止に
厚生労働省は、異物の混入が見つかったとして、モデルナ製の一部のワクチンの使用を中止すると発表しました。
厚生労働省によりますと、今月16日以降、モデルナ社の一部のワクチンに異物が混入しているという報告が、東京都・埼玉・茨城・愛知・岐阜の各県の職域接種と自治体による大規模接種、あわせて8つの会場から、あわせて39件、武田薬品工業に寄せられたということです。
異物が見つかったのは、スペインの「ロビ」という会社の工場で作られた同じ「製造ロット番号」のものだったということで、それと同時期に同じ製造ラインで作られた2つのロットを含め、3つのロット番号のあわせて約160万回分について、使用を中止するよう呼びかけました。この160万回分は、全国の863の会場に納入されていて、それらの会場には26日、連絡するということです。
各接種会場では、それぞれのワクチンの小瓶について、異物混入がないか確認してから使うことになっていて、今回の異物は、その段階で見つかったため、異物入りのワクチンを打った人は確認されていないということです。
一方、それらのロット番号のワクチンの一部は、既に接種に使われていますが、厚労省は、今のところ、健康被害の報告はないとしています。
異物が何であるかは調査中ですが、これまでに、ゴム片が混入した例が海外で報告されているということです。厚労省は、「製造過程で、ワクチンの小瓶に、ゴムの栓をとりつける際に、ゴムのかけらが入り込むことは、ほかのワクチンでも報告されている」と述べ、仮にゴム栓の場合、滅菌されている上、このワクチンは、静脈ではなく筋肉に打つため、異物で血管がつまるリスクはないと考えられると説明しています。
厚労省によりますと、日本向けのモデルナ社のワクチンは、すべてスペインの「ロビ社」の工場で製造されており、この工場ではこれら3つのロット番号のワクチンを製造した後の時期に、大規模なメンテナンスを行っていて、その後に作られたワクチンについては、問題がないとみて、使用を中止していないということです。
また、3つのロット番号のワクチンを既に接種した人に、個別に連絡することは想定していないということで、心配な場合は、かかりつけ医などに相談してほしいと述べました。
厚労省は、これらのワクチンの使用中止によって、接種予定が遅れるなどの影響を最小限にするよう、代替のワクチンを供給するとしています。
<使用中止のモデルナワクチンのロット番号>
3004667
3004734
3004956