建設・工事業 受注減で“コロナ倒産”増加
23日夜、横浜市内の日本庭園で、人々が写真におさめていたのは、月です。密対策をして、和楽器の演奏とともにお月見を楽しんでいました。来園した人は─。
来園者
「それぞれソーシャルディスタンスとって聞いていたので、楽しめたかなと思います」
別の来園者
「ちょうど月の時期というのもあるし、夜涼しいところ歩けるのはいいかなと」
暦の上では秋ですが、日中は真夏に逆戻りしました。
東京都心でも最高気温31.7度を記録しました。その東京では、新たに531人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。32日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。
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23日は祝日とあってか、車や人で大混雑な1日になりました。
上空から各地を見てみると、午後2時ごろ、東名高速道路(下り)の海老名サービスエリアの駐車場には、ほとんど空きがありませんでした。そして、神奈川・横浜市にある大規模なショッピングセンター「ららぽーと横浜」も、23日午後、地上と屋上の駐車場にたくさんの車がならんでいました。
午前中、観光地の鎌倉に向かっていた取材クルーは渋滞に巻き込まれ、一般道へ降りても長い渋滞ができていました。到着すると、多くの人出がありました。
商店会の会長は─。
鎌倉小町商店会・今雅史会長
「7割くらいまで戻ってきたかな、という感じですかね。さらに、ここにきて少しゆるんできたかな、という感じではあります」
土産物店の人は─。
土産物店
「うれしい反面、不安もありますが、徐々に戻ってきてくださればいいなと」
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都内のホームセンターで出会ったのは、24日も休みにして4連休を満喫しようとしている夫婦です。
夫
「本棚を作ろうと思っていて」
アウトドア派だった2人がいまハマっていたのは、お家にこもってのDIYです。家には、これまでに手作りした棚がいくつもありました。今回新たに、本棚作りにチャレンジするといいます。
記者
「それに決めました?」
「はい!これを3つにカットします。このサイドの木目の感じが、すごいかわいかったんで」
お目当ての木材を無事ゲットしました。
そして、黒いモノを手にしながら、何かを探している男性は─。
ホームセンターの客(42)
「理屈上は動くようになるはずなんですけど。というシルバーウイークの過ごし方」
手にしていたのは、おもちゃのコントローラーです。
ホームセンターの客(42)
「この(アンテナの)部分をなくしちゃって、鉄の棒だと代用できるんじゃないかって。それに期待してきたけど、ちょっと長いですね」
紛失したアンテナ部分を、鉄の棒で代用しようとしていたのです。果たして、動くのでしょうか。購入後、早速自宅で─。
「これをつけてみよう」
ちょっと長すぎる気もしますが、無事、アンテナ代わりになりました。
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緊急事態宣言は、19都道府県すべての地域で解除も視野に検討されています。
沖縄県では、観光シーズンに感染が拡大しました。23日も那覇市内には、ほとんど人通りがありませんでした。5月に宣言が出されてから、実に4か月が経過しました。
酒を提供せずに営業を続ける飲食店からは─。
オキナワ酒場波平てりとりー・マネージャー
「全面解除というのが一番の希望ではあるんですけど、必ず戻ると信じて、今は耐えている状況です」
一方、今月末の解除を信じて早くも準備を始めていたのは、都内の居酒屋です。
居酒屋の店長
「ちょっと希望が見えてきたのかなって。もし解除されたときに備えて日本酒メニューの作成を行っています」
店一番のウリは、本来、全国の日本酒が楽しめることでした。しかし、今は酒を封印し、2か月あまり要請に従ってきました。そのため─。
居酒屋の店長
「このあたりですかね」
記者
「半分以上残ってますね」
見せてくれたのは、宣言前に栓を開けた日本酒です。売り切れずに残っている瓶が、全部で15本ほどあるといいますが─。
居酒屋の店長
「さすがに3か月(栓が)開いたままだったので、(客への提供は)ちょっと厳しいのかなと」
「でも(解除については)期待ですよね。楽しませるためにやっているので」
別の飲食店では、扉には準備中と書かれていますが、実は─。
「先行きの見通しがたたなくなったりと。今回、倒産状態になってしまった」
訪れていたのは、倒産した店を調査する情報部員です。およそ10年前にオープンしたという店は、要請を守りながら、テイクアウトなどで経営を立て直そうとするも、先月末に倒産しました。
店の最近の状況について、ビルの管理人に話を聞くと─。
ビルの管理人
「(緊急事態)宣言になってから、ずっと閉めています」
「家賃の滞納などは?」
ビルの管理人
「ないです」
帝国データバンクによると、去年2月からの新型コロナ関連の倒産件数は全国で2073件です。業種別では、飲食店が最も多くを占める中─。
倒産調査を行う帝国データバンク情報部員
「最近、コロナ関連倒産で目立ってきたのが建設・工事業」
飲食店やアパレルショップなどの休業や閉鎖などにより、建設・工事業の受注が大きく減少し、その結果、倒産が増え続けているといいます。コロナ倒産は、ドミノ倒しのように増えています。
倒産調査を行う帝国データバンク情報部員
「(営業自粛で)あきらめ感が強まる経営者が増えて、(今後も)倒産という形で現れてくるかもしれません」
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23日、全国で確認された感染者は、3604人です。木曜日に5000人を下回るのは、7月15日以来です。
ただ、群馬県の病院ではいわゆる「ブレイクスルー感染」によるクラスターが発生しました。
22日までに、入院患者17人と職員8人、あわせて25人が感染しました。このうち24人がワクチン接種を2回終えていたことがわかりました。多くが接種から2週間以上経過していて、「ブレイクスルー感染」が起きたとみられています。
患者は10代から80代で、全員、重症には至っていないということです。
9月23日放送『news zero』より。