ネット利用の世代間ギャップ 日本は最大
11月20日の「世界子どもの日」を前に、ユニセフ(国連児童基金)などが実施した国際的な若者の意識調査の結果が発表されました。日本は21カ国中、インターネットの使用について世代間の差がもっとも大きかったことがわかりました。
調査はユニセフなどが実施し、コロナ禍で子どもや若者世代が世界に対してどのような見方をしているのかを、年上の世代と比較することで明らかにする狙いがありました。
調査期間は今年2月から6月で、日本を含む先進国や途上国など21カ国に住む2万1000人以上が対象。「15~24歳の子どもや若者世代」と「40歳以上の年上世代」の2つの年齢群に分けて分析が行われました。
■日本 インターネットの利用で世代間差が最大
日本は、「毎日インターネットを使う」と答えた子どもや若者世代(15~24歳)が96%だったのに対し、年上世代(40歳以上)が58%となり、これらの差は38ポイントとなり、調査した21カ国のなかで最も大きかったということです。日本は、インターネットの使用が他国に比べて世代間で隔たりがあることが浮き彫りになった形です。
■「SNSをとても信頼している」17%
また、21カ国全体では、子どもや若者世代がSNSの情報に懐疑的な見方をしていることがわかりました。「正確な情報を提供してくれるもの」として、SNSを「とても信頼している」と答えた若者はわずか17%でした。調査はコロナのパンデミックのもと実施されており、ユニセフは「子どもや若者は全般に、正確な情報源として各国の政府や科学者、国際的な報道機関をより信頼していることがわかった」と分析しています。
■気候変動への高い意識
また若者世代が気候変動への各国政府の対応に焦燥感を抱いていることも明らかになりました。気候変動について認識している若者の約4分の3が、「各国政府は気候変動に対応するためのしっかりとした行動をとるべきだ」と考え、この割合は、影響が最も大きいと予想される低・中所得国で83%を占め、高くなっている傾向がみられたということです。
一方で、ほぼすべての調査対象国で、若者の大多数が「各国の政府が単独ではなく、他国と協力して活動すれば、新型コロナのような脅威から自国を守ることができる」と回答したということです。
写真:『変わりゆく子ども時代プロジェクト(原題:The Changing Childhood Project)』(ユニセフHPより)