【解説】千葉や東京・利島村で震度5弱 千葉では様々なタイプの地震が―地下には地震の巣…
■1週間の地震発生回数は今年最多――震度1以上の地震が114回
5月22日から28日までの期間、国内で震度1以上の地震は114回ありました。伊豆諸島やトカラ列島などで地震が相次ぎ、震度5弱の地震が2回ありました。
▼22日午後4時42分頃、東京都の利島村で震度5弱、新島村で震度4を観測する地震がありました。
震源は新島・神津島近海でマグニチュードは5.3、震源深さは11キロでした。新島・神津島近海では、その後も震度4をはじめ、地震が相次いでいて、気象庁によると、22日から29日午後0時までに震度1以上の地震を61回観測しているということです。
▼27日午後10時52分頃。鹿児島県十島村で震度4を観測する地震がありました。
この地震の震源はトカラ列島近海でマグニチュードは4.6、震源の深さは12キロでした。トカラ列島ではこの期間、震度1以上の地震が30回発生しています。
▼26日午後7時3分頃、茨城県神栖市、千葉県銚子市、旭市で震度5弱の揺れを観測したほか、東京都心や神奈川、山梨、新潟でも震度3の揺れを観測しています。
この地震の震源は千葉県東方沖で、地震の規模を示すマグニチュードは6.2、震源の深さは50キロでした。
■複雑な地下構造にある南関東――26日の地震はプレート境界型
関東南部の地下は、陸のプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートが重なり合う複雑な構造となっています。5月26日に発生した千葉県東方沖地震は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界でおきた地震です。
■千葉には複数の「地震の巣」地震のおきやすいエリアと深さの関係
図は1997年10月以降、千葉周辺でおきたマグニチュード2以上の地震です。千葉でおきる地震は、おおむね5か所のエリアで集中して起きていることが分かります。
今回、地震がおきた銚子市付近は、深さが40から50キロくらいの場所で、香取市付近でも深さ30から40キロ付近で地震が多くおきています。千葉市付近でも深さ60から70キロくらいの場所でも地震が多く発生しています。
この地震、地震情報では「千葉北西部」と発表されますが、2021年10月には、東京・足立区で震度5弱を観測したように、深い場所でおきる地震であっても、強い揺れになることがあるため注意が必要です。
■「日本海中部地震」から40年――「すぐ来る」津波に注意を
40年前の1983年5月26日の午前11時59分頃に発生した、秋田県沖を震源とするマグニチュード7.7の大地震では、秋田や青森で震度5の揺れとなりました。その直後、日本海沿岸には大津波が押し寄せ、遠足で海岸を訪れていた小学生など104人が犠牲となりました。
太平洋側に比べると頻度は少ないものの、1993年の北海道南西沖地震のように大きな津波被害を伴う地震もおきています。日本海でおきる地震は、陸から比較的近い場所が震源となることが多く、地震発生後すぐに、場合によっては数分で津波がやってくることもあります。強い揺れを感じたら、津波の可能性もあると考えて、すぐに高台に避難するなど注意が必要です。