殺意の有無が争点 懲役6年を求刑
今年3月、横手市で兄を包丁で刺して殺害したとして殺人の罪に問われている男の裁判員裁判は検察と弁護側それぞれが主張を述べて結審しました。殺意の有無をめぐって真っ向から対立している裁判。検察は被告に懲役6年を求刑しました。
起訴されているのは横手市追廻の無職月澤敦被告42歳です。起訴状などによりますと月澤被告は3月7日未明、自宅で、同居する44歳の兄の腹を包丁で刺し殺害したとして殺人の罪に問われています。裁判では殺意の有無が大きな争点となっています。
5日の裁判で検察は「凶器の包丁は日常的に使用していたものでそれを利き手で握り腹部を2回刺した」と改めて殺意があったと主張しました。一方、弁護側は「利き手で持った包丁で致命傷となった傷を負わせるには不自然な体勢をとることになる。兄の方から接近してきたことは否定できず殺意はなかった」と傷害罪にあたると述べました。また検察が「兄の暴力は日常的であり差し迫った状況ではなかった」としたのに対し、弁護側は「母親に初めて暴力をふるい被告にも執拗に迫っていた。警察にも通報するなどいつもより危険な状況だった」と行き過ぎた防衛=過剰防衛が成立すると主張しています。
それぞれの主張が真っ向から対立した裁判は5日で結審し、検察は月澤被告に懲役6年を求刑しました。判決は13日に言い渡されます。