【池上彰さん取材】あす「原爆の日」広島サミット後の原爆資料館で入場制限 “現役核弾頭”増加の中、被爆地から伝えられることとは――
広島は6日、原爆の日を迎えます。5月のG7広島サミット以降、世界の核をめぐる状況はどう変わったのか? ジャーナリストの池上彰さんが取材しました。
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池上彰さん
「(原爆)資料館ですが、入場制限しています。G7サミットの影響なのかなと」
平和式典を6日に控えた、広島。今年は4年ぶりに先着順の一般席が設けられ、過去最多となる国の代表が出席する予定です。
およそ2か月半前のG7サミットでは、首脳らは原爆資料館で亡くなった子供の三輪車などを見た他、被爆者から話を聞いたと言います。先月、一般公開された首脳たちが残したメッセージ。
池上彰さん
「バイデン大統領のメッセージには、『世界から核兵器を最終的にそして永久的になくせる日まで信念を貫きましょう』と」
G7サミットでは、核軍縮に向けた初の首脳文書が出されました。
池上彰さん
「各国の首脳が集まって、核なき世界を求める宣言をしたことは意味が大きい。核の抑止力について書く必要はなかったのではとの声も」
G7サミットを経て、世界はどう変わろうとしているのか?
池上彰さん
「ロシアによるウクライナ軍事侵攻、ベラルーシに戦術核兵器が配備、これらは核兵器廃絶とは全く逆の動き。北朝鮮はミサイル実験をどんどんしている」
現在使用を前提としたいわゆる「現役核弾頭」は、増加傾向にあります。被爆地・広島から伝えられることとは。
池上彰さん
「『核には核を』と核を持つ“核抑止力”という考えもあれば、核兵器の恐ろしさを伝えていくことで『二度と使われてはいけない』と(恐ろしさを伝える)核抑止力を訴える、広島あるいは日本の役割だと思う」