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生命の源「アミノ酸」は宇宙から来た? 「はやぶさ2」が持ち帰った“砂”のおかげで見えてきた生命の起源

2022年6月10日 1:06

生命の源「アミノ酸」は宇宙から来た? 「はやぶさ2」が持ち帰った“砂”のおかげで見えてきた生命の起源。小惑星「リュウグウ」の生い立ち。

岡山大学などの研究チームは、日本の探査機・はやぶさ2が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った砂などの物質から、生命の起源となるアミノ酸などが見つかったと発表しました。

はやぶさ2は2020年、地球から直線距離で約3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」の物質が入ったカプセルを地球に帰還させました。中には、約5.4グラムの石や砂が入っていて、JAXAの研究チームは、世界各国の研究機関で本格的な分析をすすめていました。

岡山大学などの研究チームは、はやぶさ2が持ち帰った試料全体の約1%、55ミリグラムの試料を分析。これだけでも、2010年に初代「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」から持ち帰ったサンプル総量の約3万倍の量です。

今回、この“サンプルの量”を活かした分析で、小惑星の起源、天体の構造が今解き明かされつつあるのです。

はやぶさ2は「リュウグウ」の表面の物質だけでなく、人工クレーターをつくり、小惑星の内部の物質を採取することにも成功していたことが確認されました。

宇宙線などの影響を受けている小惑星の表面の物質だけでなく、小惑星の内部の物質も分析することで、より小惑星の起源や天体の構造・変遷に迫ることができるということです。

その分析の結果、「リュウグウ」の物質には、生命を構成するのに不可欠な水素や炭素、そして、たんぱく質の材料となり、生命のもとにもなるアミノ酸が23種類見つかったことも発表されました。

これまで、地上で見つかった隕石からもアミノ酸は検出されていましたが、隕石は地球の土や空気に触れているため、飛んできたあとに、地球のアミノ酸が混ざった可能性を否定できませんでした。

今回は、「リュウグウ」で採取した砂を外気や土などに触れない形で運搬・分析していることから、初めて、生命のもととなる材料が地球以外の太陽系内にもともと存在していたと確認されたことになるということです。

また、「リュウグウ」の物質は主に水の成分を含む含水鉱物で構成されることから、氷天体が「リュウグウ」のもとになった天体と考えられ、そのサイズは数十キロメートル程度と見積もられることも発表されました。

その氷天体の内部温度が上昇したり、低下したりすることにより、氷がとけたり、また凍ったりする過程において、アミノ酸などが合成されたと考えられるということです。

そして、数十キロメートル程度の氷天体が、天体衝突などにより、数キロメートルの氷天体片となり、最終的には直径900メートルとなる「リュウグウ」の祖先になったと推測しています。

研究グループは「アミノ酸などの有機物と水の存在が確認されたことで、今後、『リュウグウ』のような小惑星と地球生命との関係性について、より深い議論ができるようになる」と述べています。

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