パリパラリンピック…選手支える技術者たち【キキコミ】
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熱戦が続いているパリパラリンピックですが、その選手を支える「プロの技」があります。
こちらの男性は、日本人技術者の中島浩貴さん。選手村や競技場に設けられた「修理センター」で働いています。
義足や車いすなどに不具合があった時に、すぐに直せるように24時間サポートしているという修理センター。どのような活動なのか取材しました。
○櫻井
「修理にはどれくらいのペースでどれくらいの選手が足を運んでいるんですか?」
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「9月1日が終わった時点で、1900件以上の修理が終了しています。6割ぐらいが車いすで残りの4割が義足だったりその他のパーツになっていますね。1日120件くらいのペースで修理を行っています」
また競技用だけでなく日常用の車いすや義足なども修理しているといいます。
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「競技のベースにあるのが快適でスムーズな日常なのでそこをサポートすることが私たちにとって重要なパートだと考えています」
○櫻井
「気になるのは費用ですが選手それぞれに費用負担はあるんですか?」
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「サービスは全て無償になっています。選手の方は修理の費用を気にせずにこちらで対応を受けることができます」
○櫻井
「なぜ無償なんですか?」
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「費用を発生させてしまうと払える国と払えない国が出てきてしまうという現実があるためなんですね。それでは競技の公平性が保ちにくくなってしまうため無償で提供しています」
○藤井
競技の公平性を保つために無償というのは、驚きですね。
○櫻井
選手の皆さんにとっては心強いですよね。
中島さんは技術を詰め込んで最高のものを提供するのではなく、選手自身が国へ帰った後にもフォローを受けやすいようなレベルのものを新しく作って提供するという、そういった工夫もされている、ということでした。
○藤井
最新のものばかりがいいわけではないんですね。
○櫻井
その先のことも考えて、フォローされているということなんですね。また、1万数千点もの部品を持ち込んでいますが、それでも修理できない場合は、部品をイチから作り直すこともあるというんです。
○櫻井
「どういったところに中島さん自身やりがいを感じていますか?」
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「選手の皆さんが4年間、もしくはもっと長い間準備されてきたものを目の前でサポートできるというひとつの喜びがありますし世界中から集まるスタッフといろんな難しい課題に取り組んで解決していくという喜びもあります」
○櫻井
「選手からかけてもらった言葉で印象に残っている言葉はありますか?」
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「選手にとっては本当に人生をかけた試合、もしくは多くの時間を費やした方が多いので本当に『ありがとう』という言葉をよくいただきます」
○櫻井
「パラアスリートはどういった存在ですか?」
○オットーボック・ジャパン 中島浩貴さん
「憧れに近いものがあります。障害があるスポーツ選手というだけでなく自分の限られた環境や機能のなかでそれをいかに最大限伸ばすかスポーツに限らず、いろんな人に当てはまるストーリーだと思います。そういった難しいストーリーを自分の目の前で実現化してくれている存在です」
○櫻井
パラリンピックは9月2日で6日目。まだまだ激闘が続きます。
(9月2日放送『news zero』より)