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外来生物で池が“真っ赤”に… 外来種の水草が各地で繁殖 地域固有の生態系が…

2022年9月12日 21:40
外来生物で池が“真っ赤”に… 外来種の水草が各地で繁殖 地域固有の生態系が…

愛媛県松山市で池が真っ赤に染まり、近隣住民を驚かせています。その原因は、外来種の植物です。今、全国で外来生物が繁殖して、生態系に影響を与える事態が相次いでいます。

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愛媛県松山市に異様な光景が現れました。

記者
「うわ! すごい、池が赤く染まってしまっています」

まるで、“真っ赤なじゅうたん”が池に敷かれているようです。

近所の住民
「気持ち悪いですね」

なぜこんなにも赤いのか…。カメラを水面に近づけると、赤い葉の水草が隙間なく浮かんでいることがわかります。

実際に池を見た植物に詳しい専門家は、特定外来生物の水草「アゾラ」だと指摘しました

松山東雲(しののめ)短期大 松井宏光名誉教授
「『アゾラ』といわれる外来の水草。愛媛県では2000年ごろから拡大していて」

4年前の2018年、池はきれいな水面を見せていましたが、今年は半分近くが真っ赤に染まりました。

近所の住民
「今年は特に赤いと思う」

専門家は、「アゾラ」拡大の原因の1つに、今年の異常気象をあげています。

松山東雲短期大 松井宏光名誉教授
「気温が高くて、(この地域では)雨が少ないという。こういう条件が重なって、こんなに拡大したんじゃないかと」

さらに指摘したのは――

松山東雲短期大 松井宏光名誉教授
「これ(アゾラ)が入ると在来種が減少するという、大きな問題点があります」

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地域固有の生態系を脅かすという外来水草の大量繁殖は、日本最大の湖・琵琶湖でも起きていました。

湖岸の一部を埋め尽くしていたのは、特定外来生物「オオバナミズキンバイ」です。中南米が原産で、特徴は繁殖力の強さです。

琵琶湖では、13年前に初めて確認されてから、定期的に駆除活動が行われてきました。

参加した大学生
「水の中だとどれくらいあるかわからないので、実際目にしてびっくりしました」

しかし、今も繁殖の勢いは収まっていないといいます。

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長引く外来水草との戦い。栃木県宇都宮市では、市内にある水路、数百メートルにわたって、11日に外来水草の駆除作戦が行われました。

その対象となったのが、南米原産の水草「アマゾントチカガミ」です。特に多い場所では、水路を覆うように広がり繁殖しているため、その下には光が届かず、水質の悪化などにつながるといいます。

さらに、今回の水路には「ナガエミクリ」という準絶滅危惧種の在来種も生息していますが、「アマゾントチカガミ」が「ナガエミクリ」の育つ場所を奪っているというのです。

栃木県立博物館 星直斗博士
「(アマゾントチカガミが)押し寄せてきていますので、放っておくと、ナガエミクリに大きな影響を与えてしまう」

これ以上被害を広げないためにも、葉っぱのかけらも逃さずすくい取ります。

ボランティア
「ここまでやらないと意味ないですね」

そして、作戦開始から約2時間。ようやく水路らしい姿に戻りました。

参加したボランティア
「やっと川に戻りました。さっきまでは緑のじゅうたん」

栃木県の担当者は――

栃木県自然環境課 秋葉春菜主査
「ほかの県では、億の単位でお金をかけて、(外来水草を)駆除しているところもある。そうなる前に、早くやっちゃいたいなと思います」

県では、秋にもう一度、駆除作戦を行う予定だということです。