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【解説】各地で猛暑日 炎天下で車内温度は…命が危険な状態に たとえ短時間でも“放置しない”

2024年7月4日 20:41
【解説】各地で猛暑日 炎天下で車内温度は…命が危険な状態に たとえ短時間でも“放置しない”

静岡県の認定こども園で3歳の女の子が通園バスに置き去りにされ死亡した事件の裁判で、元園長に禁錮1年4か月の実刑判決が言い渡されました。実際に、暑い日に駐車した場合、車内の温度はどのくらい上がるのでしょうか。データを見ながら解説します。

山崎誠アナウンサー
「炎天下で車内温度がどれほど上昇するのかを日本自動車連盟(JAF)が実験した映像を確認してみます」

「実験の条件は次に示した通りです。『エンジンを切った状態』『日なたに駐車』『窓は閉め切った状態』で行い『外の気温は35℃』、そして『車内温度は25℃』で実験をスタートします」

山崎アナウンサー
「実験映像を確認すると、開始から数分でどんどん車内の温度が上がっていきます」

「わずか5分で、約10℃も車内温度が上昇。その後も車内は暑くなっていき…10分後には37.8℃。体温を超える数値となりました」

森圭介キャスター
「車に乗るときに、ダッシュボードに触れないほど熱くなっていることがあります。いくら車内が25℃に冷えていたとしても“ちょっと5分、コンビニエンスストアで買い物するだけだからいいや”などという、わずかな時間でも許されないということですよね」

山崎アナウンサー
「そうですね。5分、10分でもこれだけ車内温度が上がるということですからね」

山崎アナウンサー
「続いて、実験結果のグラフを確認します」

「(グラフの)黒い線が車体が『黒』の車です。そして(グラフの)白い線が、車体が『白』の車の結果です。先ほどの映像は、白い車の結果を示したものでした。黒は光を集めやすいということもあるので、『黒』の車ですと、先ほどの実験結果より、より車内温度が上がるということになります。1時間たつと50℃を超えるという結果も出ています」

「日差しを遮る『サンシェード』を使ったり、少し『窓』を開けたり…という場合もあると思いますが…どちらかを行った場合でも実験開始から30分経過すると、車内温度が約40℃に達し、危険な状態となったんです」

陣内貴美子キャスター
「私もよく車を運転しますが、炎天下に駐車をすると、ほんの少しの時間でも車に戻ってシートに座ろうとすると、やけどするぐらい熱いことがあります。そのときに本当に危険を感じました」

山崎アナウンサー
「グラフの一番下の青い線がエアコンをつけた場合です。エアコンをつけていれば、車内温度の上昇は抑えられますが、一方でエンジンをかけたまま駐車するのは、誤作動の危険性や、環境面への問題などもあるので、日本自動車連盟(JAF)はすすめていません」

「ここまでは車内の『温度』を見ていきましたが、熱中症は『湿度』なども関係してきます」

山崎アナウンサー
「気温や湿度などの条件を加えた『暑さ指数』、環境省が熱中症警戒アラートを出す際にも使われる指標ですが、炎天下の車内ではこの『暑さ指数』が、エアコンが停止して5分を過ぎると一気に『警戒』レベルに、そして、15分後には『危険』レベルに達しました」

山崎アナウンサー
「桐谷さんも車を運転されますが、この結果を見ていかがですか?」

桐谷美玲キャスター
「車内温度が上がるとは思ってましたけど、こんなに短時間で危険レベルまで達してしまうんですね。普段から短時間でも子どもを置き去りにしないようにしていますが、改めて気をつけないといけないと思いました」

山崎アナウンサー
「本当に大事な心がけです。JAFもたとえ短時間でも子どもを放置しないことが大切、としています」

「東京都心は明日(5日)も、最新の予報で最高気温35℃の猛暑日となる予想で、屋外だけでなく車内での熱中症にも注意が必要です」

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