インターネットの地図サービス「グーグルマップ」における「口コミ」をめぐり、ウソの情報や悪質な投稿の削除を求めても放置され、営業を侵害されたとして、全国の医師らおよそ60人が18日、「グーグル」に損害賠償を求め、集団提訴しました。

「グーグルマップ」での口コミをめぐり、全国各地でクリニックなどを経営する医師ら63人は18日、第三者による施設情報の改ざんや、悪意のある投稿について、削除を要請しても放置され、営業を侵害されたとして、「グーグル」に対し、あわせておよそ145万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴しました。

医師らは「怒鳴られた」「診察してもらえなかった」などといった事実と異なる口コミを書かれたものの、「医療機関は守秘義務があり、事実に反しても公の場で反論できない」とした上で、グーグル側について「被害の防止や救済措置の十分な対応をしていない」と主張しています。

原告団によりますと、悪質な被害としては、施設情報について「一時、全く異なる住所に表示された」「閉業マークをつけられた」といった事実と異なる書き換えがされたほか、「受診歴のない人物から中傷の口コミを書かれた」というケースもあるということです。

原告の一人である都内の開業医の男性は「表現の自由は重要」だとした上で、明らかなひぼう中傷などが放置されていると述べ、「不必要な薬を処方するなど、悪い評価を恐れて患者の言いなりになる医療機関も出てくる」と問題点を指摘しました。