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コロナ補助金 都内医療機関に約5億7000万円の過払いも 会計検査院の調査で判明

2024年11月6日 15:39

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、発熱外来の体制を確保した医療機関に支払われた政府の補助金について、東京都内のある医療機関におよそ5億7000万円もの過払いがあったことが会計検査院の調査でわかりました。

発熱患者を受け入れる発熱外来の体制を2020年10月から2021年3月の期間で確保したとして、厚生労働省から東京都内の中野訪問クリニックに交付された補助金が、5億6698万円過大だったとの調査結果を会計検査院が発表しました。

この補助金は、発熱患者専用の診察室の数などに基づいた想定受診患者数と実際の発熱患者数などで金額が決まりますが、中野訪問クリニックは、診察室を14室、164日間の想定受診患者数はおよそ4万6000人として、補助金を受け取っていました。

しかし、会計検査院の調査では、およそ60平方メートルの中での14室の設け方の図面や資料は全く残されておらず、トイレ部分も1つの診察室として利用したなどと説明していたということです。

さらに、この期間中に発熱患者を診療していたと考えられる医師は2人のみでした。

会計検査院は、このクリニックについて、診察室や人員体制も確保できていなかったとし、補助金のうち、およそ5億7000万円を過大交付だと判断したということです。

厚生労働省の補助金返還要求に応じ、中野訪問クリニックは、今年9月に返還を終了したということです。

会計検査院によると、発熱外来の体制を確保した医療機関に対する補助金の過払いは、2020年度と21年度で中野訪問クリニックの事例含め、7件、総額7億6900万円にのぼったということです。

最終更新日:2024年11月6日 15:39