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【名古屋市長選挙】15年続いた河村市政「継承」か「転換」か “史上最多”7人立候補 2週間の戦いが始まる

2024年11月12日 20:36
【名古屋市長選挙】15年続いた河村市政「継承」か「転換」か “史上最多”7人立候補 2週間の戦いが始まる
名古屋市政の転換点となるのでしょうか。市長選には史上最多に並ぶ7人が立候補しました。15年にもわたった河村市政の継続か否か…大きな争点となっています。

河村前市長の後継候補 前副市長・広沢一郎氏

11月10日、名古屋市長選挙の告示日。候補者たちの2週間の戦いが、いよいよスタートしました。

前副市長 無・新 広沢一郎氏(60):
「(たすきが)光った方がいいか、光らない方がいいか、どっちが写りいいですか?」

前副市長の広沢一郎氏は、日本保守党から推薦を受け、無所属で市長選に挑みます。その背中を押したのが、15年市長を務め、衆院選に当選した河村前市長。広沢氏はその後継候補として指名され、出馬を決心しました。

演説でマイクを持つと、すぐさま“イチローコール”。市民税の減税や名古屋城木造復元など、河村市政の継続に加え、0歳児から保育料無償化などを訴えています。

広沢氏にはライバル視している候補者がいました。

前副市長 無・新 広沢一郎氏(60):
「自民・公明・民主・国民民主ばっちりくっついて、団体の力で市民の声は押し切れると考えたんでしょうね。なめられたもんですよ」

自民など4党から推薦 前参議院議員・大塚耕平氏

広沢氏のライバルとは、前参議院議員の大塚耕平氏。活動前のルーティン、ゴミ拾いから選挙戦スタートです。

前参院議員 無・新 大塚耕平氏(65):
「ちゃんと予算がついていればきれいになるけど、街の美化とかこれから取り組みたいと実感」

政党に関係なく幅広い支持を得たいと、自民党、立憲民主党、国民民主党、公明党の4党から推薦され、無所属で出馬します。さらに、河村前市長と対立してきた愛知県の大村秀章知事も全面バックアップ。

給食費無償化や認知症対策、さらに名古屋城の木造復元や市民税減税の効果を検証した上で、継続するかを判断するとしています。

前参院議員 無・新 大塚耕平氏(65):
「市民税減税も名古屋城の問題も、また何年もこの話題で過ごすことになれば、世界がこれだけ速いスピードで回っているのに名古屋はどんどん遅れていきます。次の話題に前進しましょう。名古屋をアップデートさせてください」

唯一の女性候補者 政治団体共同代表・尾形慶子氏

家族に見送られて選挙戦に向かうのは、唯一女性の候補者、政治団体共同代表の尾形慶子氏。共産党からの推薦を受け、無所属で出馬します。

去年は愛知県知事選に出馬しましたが、その時から使っているタスキは緑色。その理由は…?

政治団体共同代表 無・新 尾形慶子氏(67):
「緑色の理由は、緑の名古屋にしたいから。涼しくてあたたかい緑の名古屋にしたい」

夏の暑さが年々深刻化する名古屋。気候変動への対策のため街路樹を増やし、暮らしやすい街づくりを掲げています。

さらに、名古屋城天守の木造化など、河村市政を真っ向から否定。給食の無償化や給付型奨学金の拡大などを訴えています。

政治団体共同代表 無・新 尾形慶子氏(67):
「名古屋に来たら子育てがしやすい、授業料免除で学校で勉強できる、そんな魅力ある名古屋にして、名古屋にもっと来て住んでもらいましょう」

元会社員など4人が無所属で立候補 ”史上最多”7人の戦い

また元会社員の太田敏光氏、旅行会社社長の水谷昇氏、元大学講師の不破英紀氏、元自治大学校教授の鈴木慶明氏の4人が無所属で立候補しています。

元会社員 無・新 太田敏光氏(76):
「私が訴えたいことは、無理と無駄がある名古屋城天守の木造化をやめること。代わりに名古屋城天守は耐震化工事を行う」

旅行会社社長 無・新 水谷昇氏(61):
「名古屋が福祉・子育て・教育に必要なお金を集めるには、大きな事業をやらなきゃいけない。私が提起するのは、東京・大阪に負けない巨大なテーマパークの誘致です」

元大学講師 無・新 不破英紀氏(64):
「私の第一点としては、医療問題について考えたい。(行政と)大学病院との関係などから、改革が必要だと考えている。患者の人権だとか、そういうふうなことをきちっと考えてほしい」

元自治大学校教授 無・新 鈴木慶明氏(85):
「市民ファースト、市民第一です。何よりも景気回復。そのための持続可能な賃上げはぜひとも進めたい」

河村市政の減税はどうなる? 各候補者の主張

今回の名古屋市長選挙では、15年続いた河村市政を継承するのか否かが大きな争点となっています。

現在、名古屋市では市民税の減税が行われていて、例えば、父親一人が働いている子ども2人の4人家族で年収500万円の場合、年間で5000円減税されていますが、河村前市長の目玉公約であったこの減税について、7人の候補者はどのように主張しているのでしょうか。

広沢氏は、河村前市長の後継候補ということもあり減税を継続。減税幅も、経済を活性化させる必要があるということで、5%から10%に拡大するとしています。

大塚氏は、河村前市長の減税が増収につながったという主張に疑問があるとして、減税の効果を検証してから続けるかどうか判断するということです。

尾形氏は、市民税減税が市の財政を圧迫し市民サービスが低下しているとして、減税を中止すると訴えています。

この3人の候補では、広沢氏だけが減税を継続していく方針で、大塚氏と尾形氏は減税ではなく市民サービスの充実を主張。その一つが、給食費の無償化です。名古屋市では一人当たり月4400円が自己負担となっていますが、大塚氏と尾形氏は給食費を中学校まで無償化するとしています。

ほかの候補者については、太田氏・水谷氏・不破氏は中止、鈴木氏は今後検討するということです。

また、今回の選挙戦では、河村前市長は広沢氏を支持、愛知県の大村知事は大塚氏を支持という構図になっています。かつては“村村コンビ”といわれていた河村前市長と大村知事。この二人は対立していたイメージがありますが、やはり県と市の連携は見過ごせない問題の一つ。県や周辺自治体と連携する必要がある防災対策などについて、トップが対立していると連携に支障をきたして、有事のときに対応できないのではないかという懸念の声が、現場の職員からも聞こえてきます。

河村市政を「継承」するのか、「転換」するのか。名古屋市長選挙は11月24日に投開票されます。

最終更新日:2024年11月12日 20:36
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