小林製薬「紅麹」回収で広がる影響 酒店や豆菓子店でも一部商品が店頭から姿消す
25日、名古屋市内の酒店に行くと、日本酒が並んでいる棚の1箇所だけが、空になっていました。売り場から下げられていたのです。その理由は、先週金曜日に小林製薬が行った緊急会見にありました。
今年1月、サプリメントの「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人が、腎臓の疾患を発症したというのです。会見の時点で、40代から70代のあわせて13人の男女から健康被害の報告があり、このうち6人は人工透析が必要などとして入院する事態になっています。
成分分析をしたところ、一部の紅麹原料に意図しない成分が含まれているとわかりました。成分の特定や腎疾患等との関連性は調査中だとしていますが、複数のサプリメントが自主回収となったのです。
さらに、この「紅麹」は、サプリメントだけでなく飲料や食品の材料としても使用されていたことが明らかになりました。主に食品メーカーや飲料メーカーなどに提供されていて、その数は52社にのぼるといいます。
酒店の店頭から姿を消したのは、対象の「紅麹」を使用した日本酒だったのです。回収の指示はメールで来たといいます。利用客は「ちょっとびっくりしましたね。あんまり気にしたことなかったですけど、そういう報道があってからいろんなものに使われているというのは知ったので、怖いなとは思いましたね」と驚きを隠せない様子でした。
名古屋市に本店のある豆菓子専門店「豆福」でも、「紅麹」を着色とうまみを足すために入れていたといいます。「豆福」には今朝から問い合わせが殺到しており、代表取締役は、「健康被害がないことを願うばかりだ」とコメント。
豆福 福谷勝史社長:
「真っ当に菓子作りをしてきたつもりが、たまたま自主回収対象になっている原料を使っていたばかりにご迷惑ご心配をおかけすることになった。経緯がどうであれ弊社としても大変申し訳なく思っている」
ついには、政府もこの件について会見で言及しました。
林官房長官:
「(小林製薬本社がある)大阪市と緊密に連携をしながら、原因の究明や適切な自主回収の実施などの健康被害の拡大防止を図っているところでございます」
小林製薬は「紅麹」を含む製品について「早期に使用を中止してほしい」と呼びかけています。