悠仁さま成年に “未成年皇族の不在”で安定的皇位継承の議論は「待ったなし」
秋篠宮家の長男・悠仁さまが9月6日、18歳、成年となられました。男性皇族が成年を迎えたのは39年ぶりです。一方で、皇室には未成年の方がいなくなった現実があります。日本テレビ客員解説員の井上茂男さんに、悠仁さまと今後の課題について聞きました。
■「時が経つのは早い」と初めて文書で感想
――秋篠宮家の長男・悠仁さまが9月6日、18歳、成年になられました。男性皇族が成年を迎えるのは、秋篠宮さま以来39年ぶりです。悠仁さまは18歳の誕生日にあたって文書で初めて感想を寄せ、「もう成年なのかと思うと、時が経つのは早いと実感しています。この18年の間、多くの方々が、その時々にさまざまな形で心を寄せてくださいました。深く感謝申し上げます」とつづられました。
筑波大学附属高校3年生の悠仁さまは、「今は最終の学年として、進路実現に向けて努めつつ、学校行事を含め、残り少ない高校生活を大切にしたい」と心境を記されました。高校では、バドミントン部に所属し、総合的な学習の授業では「トンボの産卵に適した植物」のテーマで発表されたそうです。
――井上さん、悠仁さまが成年皇族となられましたね。
読売新聞で宮内庁担当だった18年前、悠仁さま誕生の号外や、誕生を伝える夕刊・朝刊の記事を書きましたので、ご本人が言われる通り、時の流れは早いとつくづく感じます。
法律が変わって18歳で成年を迎えられましたが、今は大学進学に向けて勉強、勉強の日々でしょうから、進路が定まるまで静かに見守っていたいと思います。次の次の天皇になる方ですから、充実した日々を過ごしてほしいと思います。
■皇室に未成年の皇族がいなくなった現実
一方で、悠仁さまが成年になって、皇室に未成年の方がいなくなった現実を思います。皇位の安定的な継承は、悠仁さまが生まれる前から議論され、紀子さまのご懐妊によって棚上げとなって、“検討はすれど進まず”という状態が続いてきました。もう“待ったなし”だと改めて思います。
――悠仁さまが宮中行事などに出席されるのは、来年春の高校卒業以降に行われる「成年式」が終わってからとなる見込みということです。
誕生日当日、悠仁さまは、お祝いに訪れた宮内庁職員に対し、『自らの務めについて考え、成年皇族としての役割を果たせるよう努力していきたい』と述べられたそうですから、これからが楽しみだと思います。
【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)