市街地でエイの目撃相次ぐ…なぜ? “毒針”に注意 アサリ食害で駆除検討の場所も
市街地の庭園や運河など、各地で「エイ」の目撃が相次いでいます。エイは毒針があり、刺されると危険なだけでなく、養殖の貝を食べられてしまう“食害”の被害も出ています。なぜ、市街地での目撃が相次いでいるのでしょうか。
◇
14日、都会のど真ん中、東京・中央区にある浜離宮庭園のお堀で、 ゆっくりと水中を泳ぐ大きな姿を見せていたのは、「エイ」です。
目撃者
「いやいや、びっくりしたね。こんな所でね。よくボラはいるんですけどね、エイは初めて見たので」
別の人にも話を聞きました。
――初めて見た?
目撃者
「そうですね。こんなお堀で初めてですけど 」
しかもこのエイは、毒を持っている「アカエイ」です。長い尾の付け根には大きなトゲがあり、刺されると10分程度で激痛に襲われ、ひどい場合は死に至る可能性もあるといいます。
釣り人が多く集まっていた多摩川沿いでも14日、“エイがいる”という話を聞きました。
釣り人
「ほかのものを狙っていたけど、エイがたまたまかかっちゃった。食べられないしさ、毒があるって聞くから…」
スマホで、そのエイの画像を見せてくれました。これも毒を持つアカエイで、体長は約40cmでした。9日に釣り上げたといいます。
◇
危険なエイの目撃は各地で相次いでいて、兵庫・神戸市でも14日、複数の茶色いエイが泳いでいるのを確認できました。
目撃者
「この辺でもエイが来るんかなぁと思って。2匹いるね」
運河で見つけたのは、アカエイと同様、危険な毒針を持つ「ナルトビエイ」です。その数、約10匹でした。大きいものだと体長1メートル以上にもなるといいますが、このナルトビエイにはもう1つ――養殖しているアサリを食べてしまう、“食害”という厄介な点があります。
兵庫漁業協同組合 糸谷末二郎組合長
「アサリを育てている場所があるです。その辺りにエイがたくさん寄ってきて。エイにしたら二枚貝…アサリ、もう大好物」
漁協は養殖場にネットをはり、エイの侵入を防ぐ対策をしていますが、今後は駆除なども検討しているといいます。
エイは主に海の沖合に生息しているといいます。なぜ、市街地での目撃が相次いでいるのでしょうか。
兵庫漁業協同組合 糸谷末二郎組合長
「エサのたくさんある所…そりゃ寄ってきて当然だと」
海よりエサとなるアサリが豊富にあり、運河の水質が改善され、エイが生息しやすい環境になったことで、街中でも現れたのではないかということです。
エイは砂浜に潜んでいることもあるといい、それを知らずに踏みつけ刺されてしまう危険もあるため注意が必要だということです。