囲碁・一力遼三冠、応氏杯世界選手権で優勝 日本勢の国際棋戦優勝は19年ぶり
囲碁の国際棋戦・応氏杯世界選手権で一力遼三冠が優勝しました。日本で活動する囲碁棋士が国際棋戦で優勝するのは19年ぶりとなります。
日本時間8日、中国で行われた応氏杯世界選手権の決勝五番勝負第3局で、日本の一力遼三冠(27)が中国の謝科九段(24)を破り優勝しました。
応氏杯世界選手権は4年に一度開催される国際棋戦です。
国際棋戦で日本勢は近年、中国や韓国に後れをとっていて、日本で活動する棋士が国際棋戦で優勝するのは2005年にLG杯朝鮮日報棋王戦で張栩九段が優勝して以来、19年ぶりとなります。
一力三冠は「国際大会では日本選手は厳しい状況が続いているので、 自分が状況を打破したいという気持ちがあった。優勝できて、ほっとした」「嬉しさはあるが、これから他の国際棋戦でも頑張りたい」と語っています。
一力三冠は日本で囲碁七大タイトルのうち最高位の棋聖のほか、天元・本因坊も保持していますが、囲碁棋士のかたわら、東北地方の新聞社「河北新報社」で役員を務めています。
一力三冠の快挙に師匠の宋光復九段は「泣き虫だった少年の夢が叶いました。学業、経営との両立の中で多くの試練を乗り越えての世界一、正に立派です。また二刀流では世界タイトルは取れないと言う多くの評価を覆す快挙でもあります。入門以来19年常に走り続ける毎日の中でこれを機に師匠としては少し休みを取って欲しいと思う所ですが三冠の事ですからこれからも同じ様に今まで以上に全速力で走り続ける事でしょう」と言葉をよせています。