小浜市でワカメ漁に野生イルカの被害 素潜り中の漁師に接近「身の危険を感じた」 海水浴場に出現するイルカと同じ個体か 有効な対策なく悩みの種に
天然ワカメ漁が最盛期を迎えた小浜市の沖合で、漁の最中にイルカが接近し、思うように漁が出来ない状態となっています。このイルカは、数年前から県内の海水浴場にたびたび出現しているイルカと同じ個体の可能性もあるということです。
海面に浮かび上がる青白く幻想的な光。その正体は夜光虫です。
夜光虫は赤潮と呼ばれる植物プランクトンの一種。海水温が上がる春先から初夏にかけて、波打ち際や漁港などで見られる現象で、通称「海のオーロラ」と呼ばれています。
小浜市の宇久漁港で数日前から見られるようになり、この日は見物客の姿も。
■見物客
「思った以上に発光していてすごくきれい。自然界でこんな発色するぐらい青く光ってる。この時期ならではの風物詩」
美しい光に見とれていると海面に何やら異変が。
現れたのは野生のイルカ。夜光虫と重なって青白く光る姿が確認出来ます。
地元の漁師などによると、県内の海水浴場にたびたび出現しているイルカと同じ個体の可能性があるというのです。
7日の朝、宇久漁港から沖に出ようとする漁船の後ろを追いかけてくるイルカの姿が。
漁師が素潜りで採る天然ワカメ漁。しかし、イルカが接近したり、船の周りを旋回したりしたため、漁師は身の危険を感じて漁を切り上げました。
■漁師 浦谷隆勢さん
「2メートルまでいかないくらい、すごく至近距離に近づいてきて圧を感じた。すごく恐怖を感じた。イルカにあわせて潜るタイミングとかもあるので、手間がかかってしょうがない。それはちょっと今後に影響するかなと思う。なるべく早くどこかに行ってほしいって願うばかり」
天然ワカメ漁は5月末まで続くということですが、現状では有効な対策がなく、漁師たちの悩みの種になっています。