イルカに発信機取り付けへ 位置情報もとに遊泳客を避難誘導 かみつき被害の未然防止図る 県のイルカ対策会議
3年前から県内の海水浴場で相次いでいる野生のイルカによる被害。県が新たな対策に乗り出します。イルカに位置情報の発信機を取り付け、被害の未然防止を目指します。
県が初めて開いたイルカの対策会議。毎年、野生のイルカによる被害が相次ぐ中、効果的な対策が急務となっています。
■渡船業の男性
「20年以上やっているが初めて。遊んでいるのか、戯れているのか船を見れば近づき一緒に船が走ればついてくるし港に戻ればついて入ってくる」
3年前の春から、漁港や海水浴場に姿を現すようになったイルカ。海水浴シーズンになると、遊泳客にかみついたり体当たりしたりして、嶺南地域の海水浴場を中心に、けがをした人の数はこの3年間で53人に上っています。
イルカの捕獲は法令で禁止されていることから、これまではイルカの嫌う音を発する装置を設置するなど対策をしてきましたが「音や人に慣れてしまったのではないか」という指摘もあります。
■三重大学 鯨類研究センター副センター長 森阪匡通教授
「人と関わることで慣れてきてしまい、かみつくようになった。イルカが人に会わない、かみつかないことが最終目標だと思う。早期発見が大事と考えているので、イルカがいたら水の上に上がる対策しかない」
県はイルカに発信機を取り付け、リアルタイムで監視する新たなシステムを整備することを決めました。その位置情報を元に、イルカが海水浴場に進入した場合は速やかに遊泳客を避難誘導する方針で、シーズン中の安全確保を目指します。