「高校生リーダーズ」が奮闘 自転車のヘルメット着用率は年代別で最低 向上なるか 福岡
こちらは、福岡県警が2024年7月に行った、自転車のヘルメット着用に関する調査結果です。
年代別の着用率を見ると、高校生が8.1パーセントと、全世代で最も低くなっています。この状況を改善しようと、高校生自らが「リーダー」となり、半年にわたって着用率向上に取り組みました。
2月15日、福岡県警察本部に高校生およそ50人が集まりました。低迷するヘルメットの着用率を上げるため県警から任命された、県内13校の「高校生自転車ヘルメット着用促進リーダーズ」です。
2024年夏の任命式をきっかけに、ヘルメット着用の「模範生」として学校や地域で活動を展開してきました。
■精華女子高校3年・宇土紗花さん
「新しい習慣として、ヘルメットがみんなに広まったらいいな。」
今回、生徒会のメンバーで挑んだ福岡市の精華女子高校です。生徒およそ150人が通学で自転車を利用していますが、ヘルメット着用率は1割ほどだということです。活動開始前は、生徒会メンバーもヘルメットの着用に消極的でした。
■精華女子高校2年・里村美羽さん
「(2023年)4月時点で努力義務化と言われて、地域の方にかぶらないのと聞かれたけれど、努力義務だからと言って断っていました。」
そんな中、2023年5月、精華女子高校は福岡市で初めてヘルメット着用を推進するモデル校に選ばれ、生徒会が中心となって啓発を始めることになりました。
■高校生
「自分の命を脅かす危険な運転は絶対にやめましょう。」
生徒たちは、警察や交通安全協会とともに、自転車の安全な利用を呼びかけるキャンペーンに参加しました。経験や知識を重ねていくうちに、ヘルメットの大切さを理解し、学校の仲間にも伝えたいと思うようになりました。
■里村さん
「事故にあった時に頭は一番大事なので、守るためのヘルメットがないと、最近は安心して自転車で通学できません。」
校内で呼びかけるために作ったポスターのテーマは「ヘルメットも個性」です。
■宇土さん
「気軽に使えるものがあることを、まず知ってもらうことが一番大切かなと思ったので。」
■里村さん
「キャップ型です。しっかり髪の毛も出るので(髪形は)崩れません。」
多種多様なヘルメットを紹介する動画も制作し、目的や好みに合わせて選んでほしいという思いを発信しました。
活動は実を結び、2024年9月時点で1割ほどだった着用率は、3か月で22パーセントに増加しました。さらに生徒会の活動が認められたこともあり、2025年度から校則でヘルメット着用が義務化されることになりました。
2月15日、半年にわたる活動期間を終えた各校の「リーダーズ」たちは、その成果を発表しました。
■宇土さん
「単なるルールではなく、生徒一人一人の命とこれからの人生を守るために必要なものだと考えています。」
ヘルメットの着用を校内放送で呼びかける。戦隊ヒーロー姿でユニークに啓発。生徒からのアイデアが飛び交いました。
■宇土さん
「ほかの学校の活動報告を聞いて、いろんな人に日頃からヘルメットを着けてもらえそうな活動がたくさんありました。同年代の人が呼びかけると、より身近にやらなきゃいけないと感じてもらえると思いました。」
高校生たちが自ら考え、行動した「リーダーズ」の取り組みが、ヘルメット着用の輪を少しずつ広げています。
※FBS福岡放送めんたいワイド2025年2月17日午後5時すぎ放送