【解説】立花氏に“情報提供” 維新県議2人が百条委員辞職願提出 議会による懲罰に発展する可能性も
兵庫県の百条委員会を巡る問題。最新情報を取材を続けている神田記者に伝えてもらいます。(取材・報告:神田貴央記者)
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神戸支局・神田貴央記者
「ここで先ほど入った情報をお伝えします。“黒幕”だと書かれた文書を渡した疑いのある岸口実議員と、増山誠議員の2人が、午後1時40分頃、百条委員会の委員について辞職願いを提出したことが分かりました。議長宛てで兵庫県議会の議事課の事務局にメールで提出されたということです。特段、理由などは書かれていなかったということです」
黒木千晶キャスター
「改めて今の構図をまとめていきたいと思います。昨日分かったことですが、維新の増山県議が昨日、選挙後まで非公開とするものだった百条委員会の音声データを、去年10月31日、兵庫県知事選の告示日当日に、NHK党の立花氏に渡したということを明らかにしました。
そして他にも、百条委員会の副委員長・維新の岸口県議が、「黒幕は竹内元県議だ」と書かれた文書が、立花氏に手渡された場に立ち会っていたことも認めています。
そして増山さんとこの岸口さんは、2人とも百条委員会の委員の辞職願いを提出したということです。
百条委員会のメンバーから情報が漏洩していたという異例の展開となっていますが、情報が漏洩したことによる影響は何かあったんでしょうか」
神田記者
「影響そして問題は2つあります。まず増山議員自体が百条委員会のメンバーであったこと、そして県知事選挙に大きな影響を与えてしまったことです。
兵庫県議会の関係者に取材をしましたところ、『音声データの流出は選挙の情勢に大きな影響を与えた。百条委員会の信用をおとしめることになった』と話していました。この情勢に大きな影響を与えたというのは、やはり斎藤知事側に有利な方向に情勢が流れてしまったということなんです。
そしてまず大前提としてなんですが、百条委員会は元県民局長の私的な情報については、斎藤知事や側近の疑惑の審議の判定には関わらないということで、触れないことを決めていました。また、10月の証人尋問は、県知事選に影響を与えないために非公開になっていました。
当時SNS上では、すでに百条委員会の透明性や運用のあり方に疑問を呈するような投稿が見られていましたが、この増山県議が提供した音声データが流出したことによって 、SNS上では『やはり百条委員会は意図的に情報を隠している』といった内容の投稿が見られるようになりました」
黒木キャスター
「百条委員会については、2人が所属している維新の吉村代表が今日取材に応じまして、事実関係を調査中だと、そして選挙にどこまで影響を与えたかわからないが、ルールに反していてするべきではなかった、という発言をしています 。
そして百条委員会の委員長を務めている奥谷謙一県議は、文書の流出や音声データの拡散で議会の事務局に電話が殺到し業務を妨害されたとして、被疑者不詳で兵庫県警に被害を相談していると話しています。兵庫維新としての処分について何か情報は入っていますか?」
神田記者
「先ほど兵庫維新の会の金子道仁代表も我々報道陣の取材に応じたのですが、 まだ処分については事実関係が明らかになっていないとして、我々に明言することはありませんでした。 また、日曜日には兵庫維新の会の全体会議が予定されていて、その場で何かしらの発表があるかもしれません。
そして、議会関係者によりますと、今回のデータの流出は議会による懲罰に発展する可能性もあるということなんです。県が定める会議の規則には、秘密会の議事は他に漏らしてはならないと明記されています。そして地方自治法では、この会議規則に違反した議員に対して、議決により懲罰を課すことができると書かれています。
最も重いものは議員としての除名処分となっておりまして、これほど増山県議が行ったことは重いことだったということです」
黒木キャスター
「今、維新が調査結果をまとめているところですので、そちらも注目だと思うんですけれども、いずれにしても兵庫県政、今非常に混乱していますので、県民のための県政がなされるためにも、しっかりと調査を進めてほしいと思います」