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40代女性の体力が低下…半数以上が「ほとんど運動をしていない」 料理中などにできる“簡単な筋トレ”を紹介 【#みんなのギモン】

2023年10月10日 22:41
40代女性の体力が低下…半数以上が「ほとんど運動をしていない」 料理中などにできる“簡単な筋トレ”を紹介 【#みんなのギモン】

10日のギモンは「40代女性 体力低下…なぜ?」です。

なぜ、40代女性の体力が低下しているのか、その背景をみていきます。

◇運動 週1日未満 影響は?
◇家で“ついでに”体力作り

■コロナ禍で? 10代の男子も低下傾向 便利になった生活も運動不足の一因に

まずは調査の概要からみていきます。

スポーツ庁が毎年実施している「体力・運動能力調査」の昨年度の結果が発表されました。全国の約5万6000人を対象に握力や腹筋などのテストが実施されています。

テストの合計点はここ10年間、高齢者(65~79歳)は男女ともに横ばい。そして、青少年(6~19歳)は10代の男子が低下傾向となっていました。10代の男子は部活動などで日常的に運動する年代ですが、調査をした専門家は「コロナ禍で練習時間の制限などを受けたことが、一因の可能性がある」と話しています。

また、成年(20~64歳)は男女ともに多くが“横ばい”でしたが、40代女性については低下傾向ということがわかりました。つまり、40代女性の体力が落ちているということです。

10日、ギモン班が街のみなさんに聞いてみました。

1か月前からジムに通う49歳の主婦
「45過ぎたぐらいからガクンと体力が落ちた。階段を上っても息切れしたり、疲れやすいとか」

子ども(9)がいる40代主婦
「一番体力あったときを100とすると今は60%くらい。ディズニーランドで1日過ごすことができなくなりました。今は体力的に疲れちゃって、夕方帰ろうとか朝遅めにいくとか。そういうところで衰えを感じますね」

今回の調査では「1週間にどれくらい運動やスポーツをしているのか」についても聞いています。

「週3日以上、1時間以上運動をしている人」は、40代男性で5.7%、40代女性で3.3%と少数で、「週1日未満、30分未満しか運動していない人」は、40代男性が37.3%、40代女性は54%という結果でした。つまり、40代女性は「半数以上がほとんど運動をしていない」という結果でした。

街の人からはこのような理由も聞かれました。

子ども(2)がいる40代の主婦
「運動した方がいいと思っているけど、なかなか時間がとれない。家事が忙しいのと下の子が小さいので目が離せない」

調査に協力した順天堂大学大学院の内藤久士教授に話を聞くと、「40代は仕事で活躍が期待される世代で、子どもがいれば子育てにも追われて忙しい。また運動への関心が低く、別のことに時間を費やしていることもあるかもしれない」と話していました。

また別の専門家、山梨学院大学の小山勝弘教授にも話を聞くと、「今はスマホでエアコンの操作や買い物もでき、便利さを得ると同時に動くチャンスを失っている。私たちは“動物”なんだとしっかり思い出し、動く機会を意識して作ることが大切」と話していました。

昔だとぞうきんを絞ってぞうきんがけをしましたが、今はモップでささっとできてしまいます。

■通勤・通学は「水中ウオーキング」に相当 日常生活での動作はどの運動と同じレベルなのか

私たちは日常生活で実は運動をしています。

家事や買い物などでどれくらいエネルギーを消費するのか。それを示すのが「METs(メッツ)」という考え方です。座るなど安静時を「1」としたとき、これと比較して何倍のエネルギーを消費するかを示しています。

スポーツ庁が公表した一覧表(スポーツ庁Web広報マガジン「DEPORTARE」2020年10月掲載)をみると、「料理(2.0)」や「洗濯(2.0)」のエネルギー消費は、「ヨガ・ストレッチ(2.5)」に相当するとしています。

「犬の散歩(3.0)」や「掃除機かけ(3.3)」「風呂掃除(3.5)」は「ウオーキング(3.5)」「軽い筋トレ(3.5)」に相当、「自転車に乗る(4.0)」「ゆっくり階段を上る(4.0)」「通勤・通学(4.0)」は「水中ウオーキング(4.5)」に相当します。

■起きたら“蹴る”? 家事のついでに体力作り

ちょっとした心がけで変わってくる日常生活もあります。普段の生活で何ができるのか具体的にみていきます。

続いてのポイントは「家で“ついでに”体力作り」です。家事の合間などに気軽に筋力アップする方法があります。

山梨学院大学の小山教授に監修をしていただきました。小山教授によれば、まず、朝起きたとき「蹴る」ことを行うといいそうです。寝たまま片足を曲げて体に引き寄せる。その後、斜め上に大きく蹴り出して5秒間止める、これを10回程度繰り返すと、太ももの筋肉全体を使うので筋トレ効果があるといいます。朝じゃなくてもいいということです。

続いては「歯磨きしながらスクワット」です。足を開いて立ち、ゆっくり腰を落として、その後ゆっくり立ち上がる。これを10~15回を目安に行うといいそうです。ポイントはつま先を外側に向けることで、その状態で歯磨きをしながらゆっくりと腰を落とします。内ももの筋肉を鍛えることができそうです。尿漏れの予防もできます。

そして、「料理・洗い物のときは足を後ろに伸ばす」ことも筋トレになります。シンクなどに手をつき、膝を伸ばしたまま股関節を使って片足を後ろに引き上げる。これを15秒ほど止める。そうするとお尻の筋肉を太もも後ろの筋肉が刺激され、ヒップアップにいいということです。取り入れやすい運動です。

そして、「テレビを見ながらスクワット」もあります。イスに座った状態から背筋を伸ばして両腕を前に出します。その状態からゆっくりと立って、座ることでスクワットになります。意図的に動くチャンスを見つけていきましょう。

  ◇

40代女性に限らず、運動不足のままだと将来的に健康リスクが懸念されます。日頃から体を動かすことを意識しましょう。

(2023年10月10日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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