「予防的通行止め」で物流に影響…各所で“品薄”も 専門家「一定の効果あった」
首都圏では5日、雪が強くなる前から、高速道路や一般道で「予防的通行止め」が実施されました。このため、物流にさまざまな影響が出ましたが…大雪対策としての効果はあったのか、専門家に聞きました。
6日のお昼時、千葉・柏市にあるラーメン店に1人のお客さんがやってきましたが…
ラーメン食べたかった人
「きょう並んでないじゃんって思ったけど。そこに『臨時休業』ってなってて、きょう休みなんだって。食べたいは食べたかったですけど…」
店が臨時休業したワケは、5日の大雪です。
「39名」 佐久名祐亮店主
「こんな感じですね」
記者
「ほぼないですね」
チャーシューの肉、スープの材料、そして麺も、6日は届かなかったといいます。
つまりーー
記者
「全部ですね?」
「39名」 佐久名祐亮店主
「全部。メインのやつ全部ですね。ラーメン、作れないですね」
雪がやんだあと、大きく影響しているのが「物流」です。
6日朝、こう思った人も多いのでは?
30代
「(コンビニで)おにぎりとかサンドイッチも、少なかったような…品揃えが」
コンビニでは、6日朝から一部商品が品薄となりました。
◇
スーパーでも…豆腐の棚の一部は、からっぽになっていました。
記者
「こちらの商品の棚、空いています」
――豆腐は少ない?
アキダイ 秋葉弘道社長
「ない。少ないじゃなくて、ない」
売れたのではなく、“仕入れられなかった”といいます。
“在庫がピンチ”だという野菜も…
アキダイ 秋葉弘道社長
「大根置き場なんですけど、大根がこれだけなんです」
――普段だったら?
アキダイ 秋葉弘道社長
「普通だと2個ぐらいあるけど…ないんですよ。これで、明日どうしよう。今週末です。一番不足して高くなるのは…多くの野菜が」
物流の遅れに大きく影響したのが、雪による立ち往生などを防ぐため、5日から行われた「予防的通行止め」です。
高速道路だけでなく…都心の大動脈ともいえる国道20号(甲州街道)、国道246号、つまり、“下道”も通行止めとなるなど、異例の対策がとられました。
一夜明けた6日の午後0時半ごろ、高速道路の入り口では、通行止めの解除を待つ車で、大行列となっていました。
記者(東京インターチェンジ前)
「たくさんのトラックが並んでいます。行列だ…」
東名高速道路では6日午後1時ごろ、「予防的通行止め」が25時間ぶりに、全面解除となりました。
記者(東京インターチェンジ前)
「いま先頭にいたトラックが走り出しました」
しかし、中央道への入り口、八王子インターチェンジでは、6日午後になっても、なかなか全面解除とはならず…先頭で待つドライバーが、職員に尋ねていました。
ドライバー
「開通の見込みを聞いたの」
――どうでした?
ドライバー
「まだ全然わかんないって」
6日午後6時過ぎ時点で、全面解除にはいたっていません。
物流による遅れが生じているものの、専門家は、今回の「予防的通行止め」について、一定の評価をしているといいます。
交通経済に詳しい 中央大学 後藤孝夫教授
「2年前の首都高でレインボーブリッジが止まったりとか、回復がすごく遅れてしまって、結果的に、それ以上に荷物が遅れてしまったりという状況があった。通行規制することで、立ち往生や閉じ込めを防げたのは、一定の効果があった」
雪に弱い都市部にとって、“予防的な対策は効果的”だと話します。
交通経済に詳しい 中央大学 後藤孝夫教授
「立ち往生や閉じ込めが仮に起きてしまった場合、そこから回復するのに大きな労力を要するので……結果として、『予防的通行規制』というのは、社会全体のコストを抑える可能性がある」