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“新型コロナ”5類引き下げから半年 感染者減少でにぎわい戻る一方 融資返済は正念場 福岡

2023年11月9日 18:00
“新型コロナ”5類引き下げから半年 感染者減少でにぎわい戻る一方 融資返済は正念場 福岡

新型コロナウイルスが5類に引き下げられて半年が経ちました。感染者数は減少傾向で、夏場まで続いていた流行は収まってきています。観光などのにぎわいが戻る一方で、“コロナ禍”に受けた融資の返済が中小企業を悩ませています。

■阿部まみキャスター
「きらびやかなクリスマスイルミネーションに飾られた館内では、観光客の皆さんが買い物を楽しんでいます。」

福岡市博多区の『キャナルシティ博多』には9日、定番の噴水ショーを楽しむ外国人観光客の姿がありました。

新型コロナウイルスが5類に引き下げられて11月8日で半年が経ち、韓国や中国などアジア圏を中心に観光客が戻りつつあります。

■アメリカからの観光客
「(Q. どこの国から来た?)ハワイ。(Q. 日本好き?)好き!」

■韓国からの観光客
「今ぬいぐるみ買ってきた。ショッピング!エンジョイ!」

福岡県の新型コロナウイルスの感染者数は、9月半ば以降減少傾向が続いています。9日に発表された11月5日までの1週間は、1医療機関あたり1.58人と8週連続で前の週を下回りました。

■長崎大学病院・森内浩幸 教授
「前みたいな勢いで広がらなくて済んでいるのは、私たちのなかに、ある程度かかりにくくなるだけの集団免疫ができているからだと思います。ワクチンであったりいろんなものの影響で、感染してもあまり症状が出なかったりしている人もいっぱいいるということで、それほど目に見えた増加にはつながっていないんだと思います。」

感染者数の減少とともに、観光業界はにぎわいを取り戻しています。

JR九州が、11月7日に発表した今年度上半期の中間決算では純利益が279億円の黒字で、中間決算としては過去最高となりました。鉄道収入は“コロナ禍”前の約9割まで回復したといいます。

■JR九州・古宮洋二 社長
「グループ全体を見れば、おおむね順調にいっていると思っています。今後コロナウイルスをいかに乗り越えて前の状況に戻すかが、大きな課題だと思っています。」

【ゼロゼロ融資の返済は本格化】

一方で、中小企業はいま正念場を迎えています。“コロナ禍”の厳しい経営を乗り切るため導入された無利子・無担保、いわゆる『ゼロゼロ融資』の返済が本格化しているためです。

福岡市中央区の居酒屋『しょうき』が手がけるカフェレストランでは、少しずつ客足は戻ってきているものの、“コロナ前”までには完全に戻りきっていません。

そこで新たに取り入れたのが、今までになかった酒を提供するアルコールサーバーなどです。

■しょうき企画 営業部長・友納 良和さん
「同じメニューで売価を上げるだけだとお客様は納得してもらえないので、新しく何かを導入することをコロナ明けからやっていることです。」

メニューの考案も、その一つです。店舗では11月20日の週から新メニューのアルコールや料理を提供する予定です。

■友納さん
「(ゼロゼロ融資)8月からちょっとずつ返済が始まっている状態ですが、それも物価の高騰とか人件費も含めて、利益が削られているなかでの資金返済になるので、さらに追い打ちをかけられるような感じになっています。止まってしまうと衰退しかないので、なにかしら変化をかけてやってかないとなと思っていますね。」


こうした中、9日の会見で福岡県の服部知事は、次のように述べました。

■福岡県・服部知事
「コロナが3年以上長期化し、コロナの中でロシアのウクライナ軍事侵略が始まり円安状況が続く。燃油や原材料高騰が続いていて、事業者の皆さんが非常に厳しい状況であるという認識。」

福岡県内ではおととし(令和3年)5月までに約7万2000件の『ゼロゼロ融資』の申し込みがあり、融資額は1兆2370億円に上るということです。

そのうちの約9割は、今年度末までに返済が始まるとみられています。

県や市は返済に負担がある企業に対し、ことし1月から新たに『経営改善借換資金』を設けていて、服部知事はその活用を呼びかけました。

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