神から生かされたと思い祈る ローマ教皇に対面した93歳の被爆者
原爆投下から78年余り。被爆地の今と将来のあり方を探る「つなぐヒロシマ」です。取り上げるのは、4年前広島を訪れたローマ教皇に対面した、1人の被爆者です。
■加藤文子さん
「神様から生かされているのでしょうか」
被爆者の加藤文子さんは93歳。4年前の体験の記憶は、今も鮮明です。それは、2019年11月、世界が注目する中ローマ教皇を迎えた時のことでした。
■加藤文子さん
「おでこをつけてくださって私を抱いてくださったんですよ。その目がとてもやさしい目でした。忘れられません」
カトリック信者の加藤さん。洗礼を受けたきっかけは、原爆でした。
加藤さんは、当時15歳の女学生。あの日、爆心地からおよそ1400メートルにあった「広島逓信局」に、学徒動員されていました。
■加藤文子さん
「鉄筋コンクリートで4階建てだった。3方が厚いガラスだった」
「(原爆が)落ちた瞬間ガラスがすごい勢いで飛んできて。気を失いしばらくして立ちあがってみたら(白い)体操服が真っ赤になっていたんです」
同級生の下敷きになった加藤さんに、けがはありませんでした。しかし、ここだけで80人以上が亡くなります。食べ物や着る物を求めてたどり着いたのが、「長束修道院」でした。そこで被爆者の救護に当たっていたスペイン人のアルペ神父に出会い、その後洗礼を受けます。
93歳になった加藤さん。「可能な限り被爆証言を続けたい」との思いがあります。
■加藤文子さん
「私にはあしたがありません。最後に〝一本の鉛筆〟という歌をうたって終わりたい」
♪一本の鉛筆があれば人間の命と私は書く♪
《2023年11月14日》