滋賀の保護司殺害事件受け 広島県内 約1200人の保護司から関係機関が聞き取り
滋賀県で保護司の男性が殺害された事件を受け広島でも対応が始まっています。広島県内の保護司はおよそ1200人おり、事件を受け関係機関が不安などがないか聞き取りを始めています。
■元保護司 中本忠子さん
「うちは年中休みなし!」
保護司を努めていた中本忠子さんです。犯罪や非行に走る原因は空腹にあるのではないかと、広島市中区で食事を無償で提供する「基町の家」を切り盛りしています。
■中本さん
「孤独・空腹・環境、この3つを整えれば再犯がない。まず空腹からやり出した」
2024年5月、滋賀県大津市で保護司の男性が殺害された事件。逮捕されたのは、2019年から男性が保護司として担当していた35歳の男でした。
■中本さん
Q.身の危険を感じたことは
「一回もない。その子たちがよくなってくれたら、私に財産が増えるような気になる。人間の財産がね」
2024年6月12日、広島の保護観察所の職員や保護司らが知事を訪ね、地域で犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える活動をアピールしました。28年間活動を続ける保護司は。
■県保護司連合会 藤田宗広 会長
「こういういたましい事件で更生保護の火を小さくするなり消すなりしてはいけない」
県内の保護司の数は、現在およそ1200人。今年は年齢制限で退任する人の数が過去最多となりますが、十分な人数を維持できているということです。
■広島保護観察所 古賀正明 所長
「県内で保護司活動をされている方が不安を抱えておられるのは重々承知しているので、今一人一人からお聞きしている」
広島保護観察所は、現在支援を担当している保護司全員から聞き取りし、対策を検討する予定です。
■中本さん
「人を大事にする気持ちが大きくなくてはいけない。相手に沿う気持ち、相手を疑わないようにしてほしい」
保護司の心構えをこのように話す中本さん。罪を犯した人の更生を支援する保護司をどう支えていくのか。国も安全に活動するための対策を検討するとしています。
【2024年6月12日 放送】