石川の酒を広島で醸造 酒造りを通した被災地支援の取り組み
能登半島地震から3か月あまり。被災地・輪島市にある酒蔵の杜氏が4日、広島の蔵を訪れました。酒造りを通した被災地支援の取り組みです。
竹原市の藤井酒造。
ここで造りを体験するのは、石川県輪島市にある日吉酒造店の杜氏、日吉智さんです。
■日吉酒造店 日吉智 杜氏
「今年造りができないと思っていたので、懐かしいしほっとする感じです」
輪島市の朝市通りにある大正元年創業の日吉さんの蔵は、地震により壊滅的な状態となりました。そこで、同じ石川県内の酒蔵が中心となり支援を呼びかけたところ、能登の5つの酒蔵に対し全国19の蔵が手を挙げます。そのひとつが藤井酒造でした。
■藤井酒造 藤井義大 社長
「酒蔵という地域の文化や伝統を担うものは、協力して業界全体で支えていく必要があると思っている」
取り組むのは共同での酒造りです。仕込む場所は広島ですが、酒米に加え麹菌や酵母は、普段輪島の蔵で使用しているもの。日吉酒造店の酒を再現します。
■日吉酒造店 日吉智 杜氏
「あるべき日常があるような感じですかね」
今回はそれぞれの特徴を掛け合わせた新たなタイプも作り、5月には2種類の日本酒が揃う予定です。
■日吉酒造店 日吉智 杜氏
「今回の支援やうちのお酒を飲んでいただいている皆さんからも声援をいただいているので、なんとかあの場所で再建できないかなということで。それに向けて一歩ずつ足を進めていくしかないかなと思ってます。」
売り上げは酒蔵の再建に充てられる予定で、日本酒を通した広島からの被災地支援が続きます。
(2024年4月4日放送)