【みんなで防災プロジェクト】備えない防災「フェーズフリー」とは!?
広島テレビは、広島県そして23の市町と「防災パートナーシップ協定」を結び、災害に備えて連携を深めています。今回、自治体の防災担当者を対象にシンポジウムを開き、防災の新しい考え方「フェーズフリー」について学びました。
備えない防災「フェーズフリー」
■フェーズフリー協会 佐藤唯行代表理事
「ふだん市民や町民にとってすごく便利に使えて、それがついでに非常時にも役に立ったらいいんじゃないか。」
まだ耳慣れない言葉「フェーズフリー」とは、「備えない防災」として、日常でとても便利で快適に使えるものが、非常時でも役に立つように、日常時と非常時を区別せず、「非常時のためにわざわざ備えるのではなく、ふだんの暮らしの延長線上に防災がある」という考え方をもとにした取り組みです。いつ来るか見当もつかない非常時のためだけの備えは、置き場所も必要となるため継続するのは多少困難です。
パネルディスカッションでは、フェーズフリーの考え方を取り入れた商品や施設など、具体例が紹介されました。
■三次市担当者
「日常と非常時を分けて考えていたんですけど、ふだんからそういうものが使えるようにしているとは、非常に便利だなと思いました。」
■広島市佐伯区担当者
「行政はこちらに向かっていくべきだなと思いました。」
フェーズフリーを取り入れた商品
まずは、三菱鉛筆の「パワータンク」というボールペンです。天井や壁などに書こうとすると、なかなかインクは出てきません。しかし「パワータンク」は、インクが加圧されることで、書きやすくなっています。また、濡れた紙にも書くことができるため、大雨の中で情報伝達をすることが可能になります。
次は、明治の赤ちゃん用のミルク、「ほほえみらくらくクミルク」です。常温でそのまま飲めるため、お湯を沸かして冷ますこともなく、専用アタッチメントをつけることで、哺乳瓶に入れ替えせず、そのまま飲ませることができます。
最後は、スポーツ用品のメーカー・アシックスの「ランウォーク」です。クッション性や防水性があり、さらに見た目もビジネスシーンでも使えます。帰宅困難で歩いて帰らないといけない、もしくは津波避難で急いで逃げないといけない時に役に立ちます。
フェーズフリー協会に申請して認められた商品には、認証マークがついています。フェーズフリーは、日常でも十分自分の身近で取り入れられるような考え方ではないかと思います。普段からできる備えとして、少し意識してみてください。
【テレビ派 2024年2月15日放送】