鮮やかな緑色でつぶらな瞳 沖縄のみ生息のトカゲ「ミヤコカナヘビ」公開 熊本に来たのは理由が…
熊本市動植物園で、24日から沖縄県宮古諸島のみに生息する絶滅危惧種のミヤコカナヘビの一般公開が始まりました。熊本にやってきたのには理由がありました。
熊本市動植物園のいきもの学習センター。
■中学生
「かわいい」「手ちっちゃい」「目もかわいい。ぱっちりとしているから、かわいい」
中学生が興奮気味に見ているのは、沖縄県宮古諸島のみに生息するミヤコカナヘビ。「ヘビ」という名前がついていますが…?
■熊本市動植物園 は虫類担当 白木みちるさん
「ヘビじゃないです。トカゲです」
ヘビに似ていることからその名がついたといわれるカナヘビの一種で、10月、東京の上野動物園から20匹が熊本市動植物園に来園しました。そして、24日から5匹の展示が始まりました。
■畑中香保里アナウンサー
「体の長さ見てみますと、私の手のひらよりずいぶんと長いですね。体のほとんどが尻尾という印象です」
鮮やかな緑につぶらな瞳。しかし、この美しさが個体数が減る要因に。
■熊本市動植物園 は虫類担当 白木みちるさん
「ペット目的で乱獲するというのがあるみたいなので」
他にも、土地の開発やイタチなどによる捕食が原因で数が激減。2020年の環境省レッドリストでは、「ごく近い将来、野生での絶滅の危険性が極めて高い」として、絶滅危惧ⅠA類に指定されました。
このため環境省などは、個体数を増やす目的で2017年からミヤコカナヘビを生息域以外で飼育しています。現在、国内7か所の動物園や水族館で424匹が飼育される中、九州で唯一参加しているのが熊本市動植物園です。
■熊本市動植物園 は虫類担当 白木みちるさん
「将来の子どもたちにも、鮮やかな緑色をしたミヤコカナヘビを見てもらいたい。守っていきたい部分があります」
熊本市動植物園では、展示室の温度を産卵を促す25℃以上を保ち、産卵を待っているということです。今後、繁殖を進めるとともにミヤコカナヘビの現状を伝える啓発活動も行うことにしています。