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咲き誇るのになぜ除去 安田城跡のスイレン 富山市婦中町

2024年6月10日 19:28
咲き誇るのになぜ除去 安田城跡のスイレン 富山市婦中町

富山市の安田城跡では今の時期、スイレンがきれいに咲いています。

可憐な花が人々を楽しませる一方、富山市は除去する作業を行っています。なぜなのか、取材しました。

富山市婦中町にある国指定の史跡、安田城跡。

堀ではスイレンが見頃を迎えています。

「所々にいっぱいあって良いなって。パッとなりますね」

「スイレンの花はきれいでいいですよね」

可憐な花が人々を魅了する一方…

富山市埋蔵文化財センター 大野英子さん
「『侵略的外来種』ということを身にしみて感じます。恐ろしいなと感じましたね。」

このスイレンは強い繁殖力をもつ外来種。

史跡の散策を楽しんでもらおうと市が20年以上前に数株を植えたところ、多い時には堀全体を覆うほどに繁殖しました。

水堀で城を防御した安田城の本来の姿が分かりづらくなるほか、枯れたスイレンなどによる泥が溜まることでガスが発生し気象条件によっては悪臭も…。

市は堀の水を抜くなどしましたが、半年以上、水のない状態でもスイレンの繁殖は止まらなかったということです。

富山市埋蔵文化財センター 大野英子さん
「こちらは2023年工事したところで、向こう側は2024年度工事を行う場所です。非常に効果が表れています」

堀の本来の姿を取り戻そうと、市は2022年から重機を使ってスイレンを除去する工事を行っています。

現在、繁殖したスイレンは全体の6割ほどに減少。

除去工事は2030年ごろまで続く予定で、スイレンはすべて除去されるということです。

富山市埋蔵文化財センター 大野英子さん
「堀の姿がよみがえっていく様子を皆さんご覧いただくことができます。お楽しみにしてもらえたらと思います」

スイレンをすべて除去した後に、堀には在来種のカキツバタが加わり、新たに植えられるスイレンは増えすぎないように水中に設置するコンクリートの枠内で管理するということです。

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