南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」発表 富山でも最大限の備えを
8月8日、宮崎県沖の日向灘で最大震度6弱の地震があり、気象庁は初めて南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」を発表しました。専門家は富山でも最大限の備えをすべきと話しています。助田記者のリポートです。
8月8日、宮崎県日南市で最大震度6弱を観測した地震。気象庁はこの日の夜、「同規模程度の地震が起きる可能性が相対的に高まっている」として、南海トラフ地震臨時情報の「巨大地震注意」を初めて発表しました。
地震のメカニズムに詳しい竹内章富山大学名誉教授はこの発表について。
富山大学名誉教授 竹内章さん
「後発地震としての巨大地震の発生に注意しましょうということ。平常の状態というのは、マグニチュード7くらいの地震が1000回とか2000回起きる中で、そのうちの1回は後発地震としてマグニチュード8クラスの地震が起きる統計的なデータがあるわけですね。今回の地震が起きたことによって、数百回に1度という頻度に頻度がアップしたと可能性が上がった」
政府は備えの点検や確認を呼びかけています。気象庁など国の発表では南海トラフ地震が発生した場合、富山県内は広い範囲で震度4、一部で震度5弱と想定されています。竹内教授は富山でも最大限の備えをすべきと話します
富山大学名誉教授 竹内章さん
「最低これくらいの揺れになるだろうと、国も考えているわけです。実はこれは過小評価だと思います」
防災科学技術研究所は、富山県内では広い範囲で震度5弱から5強、一部では震度6弱と想定しています。
富山大学名誉教授 竹内章さん
「気象庁、内閣府が発表している図よりも1ランク上なんですね。どちらかというと能登半島地震よりも強い。災害に対しては、よりリスクの大きいほうを考えておくべき。離れた地域でも、かなり揺れるというところが、富山県あるいは日本海側の地域にとって、それなりに強い揺れになってしまうことを念頭に置く必要がある」
お盆の時期に重なった南海トラフ地震の臨時情報。竹内さんは対象地域に帰省や旅行をする際は現地の防災情報を必ず確認してほしいと話します。
富山大学名誉教授 竹内章さん
「今週は臨時情報の巨大地震注意という状態発令中なわけですね。各地域で備えに対する点検とか、確認が行われている場所に帰省なり、訪問するということになるわけですから、一緒に確認するというようなつもりで行かれる必要があると思いますね」
地震への備えについて確認すべきことをまとめました。
①まずは家具について、タンスや本棚、冷蔵庫などの転倒防止対策を行ってください。
②次に避難について、自治体のハザードマップなどで避難場所や避難経路を確認しておきましょう。
③そして食料や飲料水の備蓄は大丈夫でしょうか。最低でも3日分は準備しておくことがすすめられています。非常用持ち出し袋などですぐに持ち出せるようにしておきましょう。
④最後に家族との連絡について、職場や学校、外出先などで被災した場合に備えて家族との連絡方法や集合場所をあらかじめ確認してください。