【地震による「東北新幹線」脱線事故】国の運輸安全委員会 JR東日本などに『震動抑制の技術開発』進めるよう求める 報告書には『地震動で車体が大きく揺れ、車輪浮き上がり脱線』
おととし、福島県沖を震源とする地震で「東北新幹線」が脱線した事故で、国の運輸安全委員会は『地震動で車体が大きく揺れたことで脱線に至った』として、JR東日本などに対し『震動抑制の技術開発』などを進めるよう求めた。
この事故は、おととし3月 福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生し、東北新幹線「やまびこ223号」が白石蔵王駅近くで脱線し、乗客6人が軽傷を負ったもの。
事故原因を調査していた運輸安全委員会が公表した報告書では、『地震の強い揺れで車体が大きく揺れたことで車輪が浮きあがり、レールを乗り越えて脱線に至った』と考えられる、としている。
事故では、17両中16両が脱線したが、震度6強の地震の2分前に発生した別の地震の影響でこの列車が停止していたことや多くの逸脱防止ガイドなどが機能したため、横転などの大事故が防げたという。
しかし、先頭車両も脱線して輪軸が逸脱していたことから、走行中であれば被害が拡大していた可能性があると分析している。
JR東日本は、逸脱防止装置の改良や車体の揺れをおさえる機器の導入の検討に入るなどとしているが、運輸安全委員会は地震による脱線は完全には防げないとしながらも『安全性の確保は最大限行われるべき』として、JR東日本などに対しさらなる対策の検討や技術開発などを進めるよう求めている。