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徘徊で行方不明も 増える高齢の認知症患者 専門家「地域ぐるみでのサポートを」《長崎》

2023年11月17日 23:19
徘徊で行方不明も 増える高齢の認知症患者 専門家「地域ぐるみでのサポートを」《長崎》

大村市で10月、認知症の高齢女性が行方不明となり、女性はその後、会社員の男性によって発見、保護されました。

認知症やその疑いのある人が行方不明となる事案は増加傾向にあり専門家は、「地域ぐるみでのサポートが必要」と話します。

大村市の藤元賢一さん34歳。

10月22日、勤務する会社の敷地で高齢女性が立ちすくんでいたため声をかけたといいます。

(日本道路九州支店長崎合材センター 藤元 賢一さん)
「一度同じようなことがあったみたいで、そのときすごく大きなケガをして帰って来られたみたいで」

女性は片方がはだしで自宅の住所を言えなかったことから藤元さんが警察に通報し保護しました。

女性の家族からその日の午前、行方不明届が出ていたそうです。

(女性を発見、保護した 藤元 賢一さん)
「何事もなくご家族のもとに帰れたのがよかった。困っていると声をかけるように(している)」

県警で受理した認知症、またはその疑いのある人の行方不明の届け出は去年、82件で増加傾向にあるといいます。

(長崎大学病院精神科神経科 田山 達之 医師)
「基本的には認知症はどんどん進む進行性の疾患。24時間365日目が離せないような状況になりえる」

県によりますと認知症の高齢者は県全体でおよそ7万5000人いて、2025年には8万4000人、30年には9万人を超えると推測されています。

認知症の患者の治療にあたる長崎大学病院の田山達之医師は、病状が進行すると、徘徊が目立つケースもあると指摘します。

(長崎大学病院精神科神経科 田山 達之 医師)
「認知症のタイプにもよるが常同行為という意味も分からずふらふら動きまわったり睡眠中も異常行動が目立って家の外に出ていってしまったりそういうことが起こりうる」

長崎市では、患者家族の支援サービスとして行方不明となった場合に事前登録した名前、住所などを介護事業所やケアマネージャーと共有するシステムを構築。

靴に取り付けられる小型のGPS端末の貸し出しも行っています。

田山医師は、家族だけでなく、行政も含めた地域ぐるみのサポートが認知症患者が徘徊した際の早期発見につながると話します。

(長崎大学病院精神科神経科 田山 達之 医師)
「家族だけではとても見きれない状態、地域も含めて行政、医療機関、すべての人で認知症の高齢者を支えていく時代だ思う。認知症の中には治るタイプ、物忘れなど認知機能の低下などもある。気になった時には早めに受診いただくことをおすすめしている」

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