長崎くんち【麹屋町・川船】重さ3トン “最大級”の川船で稽古始動 根曳も囃子も心ひとつに《長崎》
秋の大祭「長崎くんち」で「川船」を奉納する「麹屋町」が船を使った稽古に密着しました。
10年ぶりの出演に向け一丸となって臨んでいます。
7月中旬、麴屋町公園には今年の長崎くんちに出演するメンバーが勢ぞろいしました。
10年ぶりの奉納を行う「麹屋町」。
囃子の子どもたちを乗せて、初めて船を使った稽古の日です。
(川津 さくらさん)
「みんな楽しいかもしれないが声出そうね。たたきにくいかもしれないけど止めちゃだめ」
子どもたちに声をかけるのは川津 さくらさん 21歳。
町がはじめて “囃子指導” という役割を設定し、その担当となりました。
(川津 さくらさん)
「本当だったらここの右か左に自分もいたのかなとか思ったりするが…。7年後は一緒に船を曳けたらうれしい」
2月に行われたメンバーの決起集会。
多くの男性陣の中に、唯一の女性=川津さんの姿がありました。
(川津 さくらさん)
「根曳にはなれなかったが囃子を任された。根曳で出るか出ないかという話もあったのでそういうのも含めモヤモヤじゃないけど…難しい」
前回のくんちでは囃子の一人として“〆太鼓”を担当した川津さん。
次は 根曳として出たいと思いを強めていた分、複雑な気持ちもありますが…
(川津 さくらさん)
「囃子担当になりました。川津さくらです。最高の奉納には采のみなさんと根曳のみなさんの船回しもそうだと思いますが、囃子あってこその最高の奉納だと思う囃子のことは任せてください!」
自身を奮い立たせ、子どもたちの指導に全力を注ぐ決意を固めました。
<麹屋町の川船の紹介>
全長6.5m、重さ3トンを超える
長崎くんちでは7つの踊町が「川船」を奉納しますが、その中でも最大級
力強くスピード感のある船回しで会場を魅了します。
今年の根曳は22人。うち8人が初出演です。
トレーニングを始めたのは、どの踊町よりも早い去年11月。
8か月間、“体力”、そして”気持ち”を高めてきました。
根曳最年長、54歳の實藤 康史さんも初めての挑戦です。
(實藤 康史さん)
「いい汗かいている。慣れてきた。体が順応してきて、困ったことに。ついて行けちゃう。気持ちを1つに。船を出すまでにみんな団結してチーム麹屋として固まった団体になればいい稽古ができると思う」
6月1日 くんちの始まりを告げる小屋入り。
(實藤 康史さん)
「本格的に始まる最初の一日。感謝の日々にしていけたらと。自分を成長させて終わった時に一皮むけたなと言われるように10月まで過ごしていけたらと」
(川津 さくらさん)
「そわそわする。いよいよ始まる感じが。シャギリの音とか聞いて。楽しみでもあるしいろいろ頑張っていかないとなと思う」
根曳のメンバーとともに“囃子”として打ち込みに参加した川津さん。
多くの観客が見守る中、担当したのは10年前と同じ、〆太鼓です。
(川津 さくらさん)
「まちの期待を感じる。うれしい」
それぞれの熱い思いを乗せ、動き出した麹屋町の川船。
(川津 さくらさん)
「今年は自分の仕事を全うするだけなので囃子をなんとか成功させる気持ちで頑張る」
(實藤 康史さん)
「一日一日課題を積み残さずにちゃんと整理して次の稽古に向かっていきたい」
チーム麹屋町、心を一つに、進み続けます。
麹屋町は土曜日を除いて毎日、船を出して稽古を行っているということです。
インスタグラムでも稽古の様子などを随時更新していますのでぜひ、関連リンクからチェックしてみて下さい。