“山火事”相次ぐ…自然発火で?→林野庁「ほとんど人間の不注意」 3割は「たき火」から 「野焼き」は可?【#みんなのギモン】
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そこで今回の#みんなのギモンでは、「山火事相次ぐ なぜ起きる?」をテーマに解説します。
忽滑谷こころアナウンサー
「岩手県の沿岸部で山火事が相次いでいますが、他のエリアの皆さんもこの季節、特に注意が必要です」
「岩手・大船渡市で26日に発生した山火事について、警察によると27日午前7時ごろ、三陸町の綾里(りょうり)・小路地区の県道わきで、男性とみられる年齢不明の遺体が発見されました」
「この山火事ではこれまでに600ヘクタール以上が焼け、住宅など84棟に被害が出ているとみられています」
避難者
「避難してくるときには、我が家にも火の手が迫っていたので、たぶんもう燃えてなくなっちゃってるんだろうなと思って…」
忽滑谷アナウンサー
「また、26日午後には山梨・大月市でも山火事が発生し、一夜明けた27日も燃え続けました」
鈴江奈々アナウンサー
「避難されている方は今も不安でしょうし、早くこの山火事が収まってもらいたいなと思いますが、空気も乾燥しているので、燃え広がるとなかなか鎮火は難しいところもあるでしょうね」
忽滑谷アナウンサー
「岩手県では先週から山火事が相次いでいます。最初の山火事は、19日に大船渡市南東部の海沿いで発生し、1週間燃え続け、25日に鎮圧されました。その25日、『奇跡の一本松』がある陸前高田市と、大船渡市の市の境目で山火事が発生しました」
「これは26日正午ごろに鎮圧されましたが、それとほぼ同じころに、今度は(大船渡市の)赤崎町合足(あったり)で新たな山火事が発生。(27日夕方の時点では合足のエリアに加えて)三陸町綾里のエリアでも起きていて、被害が広がっています」
「27日午前7時に大船渡市は、焼失したエリアと延焼中のエリアを発表しました。市街地にも近く、住宅など少なくとも84棟に被害が出ているとみられ、(27日夕方の時点で)873世帯2114人に避難指示が出されています」
桐谷美玲キャスター
「ここまで被害が大きくなるというのが驚きでしたし、こんなに広い範囲で燃え広がってしまったというのはどうしてなんですか?」
忽滑谷アナウンサー
「大きな要因として考えられるのが、乾燥と強風です。大船渡市には18日から27日まで10日間連続で途切れることなく乾燥注意報が出されています」
「また火災が確認された26日は最大瞬間風速18.1メートルの強風が吹いていて、強風注意報も出ていました。こうした状況で一気に燃え広がったとみられています」
忽滑谷アナウンサー
「山火事で特に注意していただきたいのは、今の時期が最も起きやすいということです。林野庁によると、大きな特徴として山火事は約7割が冬~春(1月~5月)に集中して発生しているということです」
「その理由として、冬は森林内に落ち葉が積もって燃えやすい状況にあること、さらに風が強いことがあります。特に太平洋側は乾燥した状態になります。今回の岩手県も太平洋側なので、こうした自然条件が重なっていると言えます」
刈川くるみキャスター
「燃えやすい、そして燃え広がりやすい条件がそろっているということですが、まず火がついてしまう原因はあるのでしょうか?」
忽滑谷アナウンサー
「26日に発生した山火事の原因は現在のところ、わかっていません。ただ、25日に陸前高田市で発生した山火事では、これが直接の原因かどうかはまだわかりませんが、『隣の家でゴミ焼きをしていて火が移った』という通報が消防にあったということです」
忽滑谷アナウンサー
「総務省消防庁によると、山火事などを含む林野火災は最新のデータ(2023年度)で1299件発生。その原因として最も多いのがたき火(32.0%)です。農作業などで枯れ草を広範囲で燃やす火入れ(19.0%)、放火や放火の疑い(7.5%)、たばこ(3.8%)と続きます」
桐谷キャスター
「山火事と聞くと自然発火なのかなというイメージを持っていたんですが、人為的なものが多いということなんですね」
忽滑谷アナウンサー
「私も自然に火がつくイメージがあったんですが、林野庁は『山火事のほとんどは人間の不注意によって起きている』としています」
森圭介アナウンサー
「山間部に行くと、たき火していたり、ドラム缶の中で火をたいていたりするのをよく見ます。許可されているものなんですか?」
忽滑谷アナウンサー
「覚えておいていただきたいのは、枯れ草やゴミなどを屋外で焼却するような『野焼き』という行為は、法律で原則禁止とされています。あくまで例外として、農業や林業でやむを得ないときや、お祭りなどの行事、たき火などの軽微な焼却であれば認められています」
「ただこれらもあくまで例外なので、周りから煙が立っているところを見られて火事と間違われないように、基本的に自治体の条例に従って、事前に消防署などに届け出る必要があります」
鈴江アナウンサー
「乾燥注意報は27日も全国的に出ています。こういったルールをきちんと知った上で、注意したいですね」
忽滑谷アナウンサー
「山火事が最も多いのは今の季節です。キャンプやバーベキューなどでも、屋外での火の取り扱いではルールをしっかりと守って、安全を第一に、十分ご注意ください」
(2025年2月27日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)