個体数は例年の11倍 カメムシが異例の大量発生 不安を見せる果樹園…前倒しでカメムシ対策に力入れるも“柿の中身への被害がわかるのは秋ごろ” 島根県
いま島根県ではカメムシの大量発生により果樹園などに対して注意報を発令しています。柿農家は秋の出荷に向けて不安を見せています。
例年、秋になると姿を見せる「カメムシ」。島根県病害虫防除所によると、今年春の時点でなんと例年の11倍の個体を確認。島根県は7月1日からカメムシ被害の注意報を発令しています。
なぜ今年はこんなにもカメムシが大量発生しているのでしょうかー。
島根県農業技術センター 資源環境研究部 病虫科 澤村信生 科長
「もともとの餌であるヒノキの球果がかなり多くなっていて、そこでかなり増殖しています。暖冬の影響もあって平年よりも越冬する数が増えているんじゃないかと予想しています」
去年からカメムシの主食であるスギやヒノキの実が豊富で個体数が増加。そこに暖冬が重なった結果11倍ものカメムシが発生しているといいます。さらに警戒しているのがー。
島根県農業技術センター 資源環境研究部 病虫科 澤村信生 科長
「カメムシが増えると落果したり、奇形果になって商品価値がぐっと下がるので実害が非常に大きくなります」
柿やナシなど果樹への被害。カメムシが実に吸いつくと、くぼんでしまい、出荷できなくなる可能性があるのです。そうした中、松江市内の柿農家を訪ねると例年より前倒しで「カメムシ対策」に力を入れているといいます。
畑ほし柿生産組合 森廣紀元 理事
「1か月早めの6月の中旬ごろにカメムシの防除をしました」
例年、7月中旬から撒くカメムシ防除の薬剤を、今年は6月中旬に散布。その効果もあり今年はまだカメムシの被害を受けていないといいます。しかし、柿の中身への被害がわかるのは実が大きくなる秋ごろ。11倍ものカメムシから被害を防げるのか不安は続きます。
畑ほし柿生産組合 森廣紀元 理事
「ここまではいいけど、これから先がまだいろいろ試練があるので、それを乗り越えていい柿を作れるように努力していこうかなと思います」
農作物への被害が懸念されるカメムシ。今後も油断できない状況は続きます。