「ありがとうの一言に尽きる」 奥出雲おろち号のラストランに多くのファンが感謝 島根県
午前8時すぎ、JR出雲市駅のホームにできたあふれんばかりの人だかり。お目当ては、JR木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」です。11月23日、いよいよラストランの日を迎えました。
訪れた人は
「埼玉から来ました。非常に眺めのいい列車なので、いい天気になって有終の美を飾っていただければと思って楽しみにしています」
「自分は地元からです。おろち号、26年間ありがとう」
中には、列車に乗ることができなかった人もー。
訪れた人
「(席を)取れませんでした。だから外で応援します。たくさんの人の思いが詰まっている車両なので最後まで駆け抜けてほしいと思います」
出発前には、別れを惜しみながら車内の様子をカメラに収める乗客たちの姿もみられました。
そして、いよいよ、その時を迎えます。
「奥出雲おろち号まもなく発車いたします。皆様どうか手を振ってお見送りをお願いします」
午前8時45分、多くの人に見送られ、「奥出雲おろち号」が出発しました。
島根県雲南市と広島県庄原市を結ぶ「奥出雲おろち号」は1998年に運行を開始、ピーク時は年間2万人が利用する人気の観光列車でしたが、車両の老朽化で今シーズンをもって引退することになりました。
JR木次駅の周辺ではラストランイベントも開催。地元グルメや関連グッズなどを販売するブースが出店し、にぎわいを見せていました。感謝と寂しさがあふれるラストラン。沿線の至る所で別れを惜しむ声が響いていました。
訪れた人
「ありがとう。ありがとう。涙が出そうだわ。ありがとうね」
中でも多くの鉄道ファンが集まっていたのが奥出雲町八川の道の駅。ここから見えるのが高さ160メートルの「スイッチバック」。力いっぱい山道を駆け上がるおろち号の姿もこの日で見納めとなります。
地元住民
「小学校の時に1回乗ったんですけど、その時、楽しい思い出を作らせてくれてありがとうっていう気持ちですね。というのと、最後見送れたらいいなと思って。地元に帰ってきたので見送れてよかったなと思います」
道の駅奥出雲おろちループ 藤原紘子駅長
「本当に全国からたくさんの皆様に来ていただきまして見送りいただきましたので本当におろち号が愛されていたんだなと実感しております。本当にありがとうの一言に尽きるかなと思います」
そして、午後3時57分、列車は終点のJR木次駅に到着。奥出雲おろち号は無事にラストランを終えました。
訪れた人
「地元の人が本当に応援というか最後のお別れに来てくれて、ちょっとうるっと来ますよね」
「景色がすばらしいのもそうなんですけど、人々の温かさというか沿線の方々が手をふってくださったりとか心が温まるような感じですね」
26年間に渡り運行を続けてきたトロッコ列車「奥出雲おろち号」。地域ににぎわいを呼び込む観光列車としての使命を全うし、その歴史に幕を下ろしました。