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【特集】短命県返上 子宮けいがんとHPVワクチンを正しく知る

2024年8月29日 18:36
【特集】短命県返上 子宮けいがんとHPVワクチンを正しく知る

特集は短命県返上きょうは子宮けいがんとHPVワクチンについてです。
対象者が無料で接種できる期限が迫る中、その必要性について専門家に聞きました。

★橋本莉奈キャスター
「年間数千人もの命を奪っているヒトパピローマウイルス。その感染により発症してしまうのが子宮けいがんです」

子宮けいがんは子宮の入り口付近にできるがんです。

日本では20代から40代の女性を中心に発症するがんで毎年およそ1万人が新たに子宮けいがんと診断されています。

★県立中央病院 石原佳奈 副部長
「子宮けいがんは検診をすることで早期発見早期治療ができる病気ですので 早い段階で見つけることができれば 手術で治る方もいらっしゃいますただ腫瘍が大きくなってしまった場合は とりきれる状態であれば 子宮をとる手術になりますそうするともちろん妊娠はできなくなります」

子宮けいがんは主に性交渉をきっかけとするHPVの感染が原因で起こります。

ただ、ワクチン接種で予防ができます。国は2013年4月から小学6年から高校1年相当の女性が無料でワクチンを接種できる定期接種を始めました。しかし副作用が相次いで報告されたため接種の呼びかけを中止していました。その後報告された多様な症状とワクチン接種との因果関係が証明されなかったことなどから2022年4月から積極的な推奨が再開されました。

国は機会を逃した1997年度から2005年度生まれの女性が無料で接種できる「キャッチアップ接種」を2022年から行っています。

この接種を無料で受けられるのは来年の3月末までですが、計3回の接種にはおよそ半年かかるため1回目の接種を来月末までに終えなければ無料で3回打つことができなくなります。

県によると昨年度までのキャッチアップ対象者の17歳から23歳は2割から4割ほどにとどまっています。

HPVワクチンについて聞いてみると・・・

★高校生(1回目接種済)
「私の母が子宮けいがんになったことがあって予防としても受けようってなって副反応とかあってもがんになるよりはましだからっていうので受けました」

★小学6年生の子を持つ母親
「私自身が卵巣のほうがもともと悪くて子宮がん検診も毎年受けていて受けさせたい気持ちが強くて でも受けるって決めたんだよね 副反応とか ちょっと怖いなという気持ちが多少あるんですけど受けさせたい気持ちはすごく強いです」

★大学1年生(未接種)
「(Qワクチンって打ちましたか?) まだです 友達が副作用とかもしんどいって言っていたからあまり受けたくないなって」

接種に前向きな方がいる一方不安感を抱く方もいました。

★県立中央病院 石原佳奈 副部長
「多くは軽症でして数日で良くなるものがほとんどです1番多いのは打ったときの痛み接種部位の腫れとか赤みというものが多いと思います とくにワクチン接種が進まない理由としてワクチンそのものの知識とか子宮けいがんという病気についてあまりにも知らなさすぎることですね」

先週五所川原市にある女性クリニックには数名がキャッチアップ接種に訪れていました。

★大学生
「いま3回目です 友達とかとも危険性について話し合ったりして打っている人もいたので安心して受けようと思いました」

★エルム女性クリニック 佐藤秀平 理事長
「きょう来られている方はみなさんキャッチアップ接種の方々です この3か月くらいの間で徐々に増えてきている できるかぎり緊張しないような雰囲気をつくったりとかお話をしてリラックスしていただいてその上でワクチンを打つということで対応しています」

★県立中央病院 石原佳奈 副部長
「わたしたち産婦人科医は子宮けいがんになって苦しんでいる女性をたくさん見ていますしことしはすごく県病にも毎週のように子宮けいがんの患者さんが紹介されてきていて かからなくても良かった予防できたがんでこのように苦しんでいる女性が多いということはわれわれにとっては非常に悔しい しっかり自分の体のことについて子宮けいがんとかワクチンについてちゃんと知った上で選択していただきたい」

子宮けいがんはワクチン接種と検診が大切と言われています。ワクチンの接種が1つの選択肢であることを正しく理解することが重要です。

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