【リニア】“水問題”めぐり…静岡県が「田代ダム案」容認にJR東海社長は「速やかに進めていきたい」
リニア新幹線の工事で、静岡県外に流出した水を大井川に戻す「田代ダム案」を県が容認したことについて、JR東海の丹羽社長は、30日の会見で「速やかに進めてたい」と話しました。
リニア新幹線のトンネル工事に伴い、大井川の水量減少が懸念されている問題で、JR東海が解決策として提示しているのが、大井川上流にある「田代ダム」の取水を抑制して水量を確保する案です。
「田代ダム案」をめぐっては10月、JR東海がダムを管理する東京電力との協議がまとまったとして、具体的な実施案を発表。その上で県に対し、利水関係者などで構成される「協議会」に「了解」を求める要請書を送っていました。
そして、30日、県は、大井川利水関係協議会から田代ダム案の実施案を「了解する」報告があり、県としても「影響を回避する保全策になり得ると考えている」として、“田代ダム案を認める”とする文書をJR東海に送りました。これについて、JR東海の丹羽社長は30日の会見で「取水抑制案を速やかに進めていきたい」と話しました。
(JR東海 丹羽 俊介 社長)
「取水抑制の具体的な実施案について、大井川利水関係協議会から“了解”を得られてありがたいことだと思っている。取水抑制案(田代ダム案)を速やかにまとめていきたいと考えている」
一方、県は文書の中で「実際の運用方法」や「県外流出量が想定より多い場合の対応」について、JR東海に対し、県の専門部会で引き続き協議していくよう求めています。これについて、丹羽社長は…。
(JR東海 丹羽 俊介 社長)
「静岡県も大井川利水関係協議会の会員であるため、取水抑制の具体的な実施案について了解をいただいているので、要請の趣旨について静岡県によく聞いていきたい」
「田代ダム案」がようやく認められたことで、今後、リニア問題の議論が加速していくのか注目が集まります。一方、30日 午後、川勝知事は県内選出の国会議員と県政の課題について意見交換しました。会合では「リニア新幹線」の話題についてもあがったということです。
(城内 実 衆議院議員)
「静岡県はリニア中央新幹線について整備を促進する事を基本姿勢とし、品川ー名古屋間の早期整備、全線開業時期の前倒しを目指す立場であるということをおっしゃっていただきました」
議員からは、県が“田代ダム案を認めた”ことについて評価する声もあがったということです。
(川勝知事)
「取水抑制について一歩前進と好意的に受け止めてくれている」「できる限り前倒しして、早く解決の道を探ってほしいという要望が与党からも出た」