「この先誰が…」墓の手入れや費用負担 子どもや孫の世代へ…年々増える「墓じまい」 北海道
13日はお墓参りという方が多くみられましたが、お墓事情にある変化が起きているということです。
札幌市が運営する里塚霊園は、およそ2万6000区画ある市内屈指の大規模な霊園です。
この霊園でいま、ある変化が起きているといいます。
(急式キャスター)「たくさんの墓石が立ち並ぶ霊園です。よく見ますとところどころにあいているスペースがあるんです。墓じまいの跡と見受けられます」
お骨を別の場所へ移し、墓石を撤去する「墓じまい」が年々増加しています。
里塚霊園では2023年8月からの1年間で190件の墓じまいがありました。
墓の管理を子どもや孫の世代へ引き継いでいくと、手入れの時間や費用の問題など負担が重くのしかかるからです。
みなさんに墓じまいへの考えを聞いてみると、様々な意見がありました。
(男性)「僕は古い人かもしれないけど、親に手を合わせなかったらバチが当たると思っているから、なくなるのは寂しい」
一方で、仕方がないという声もー
(男性)「このご時世、子どもの少子化に伴って、守りたくても守れないっていう状況は事実だと思う」
(女性)「守れるなら守りたいですけど、私も嫁いでしまっているので、この先誰がお墓を見ていくんだろうなっていうのは思います」
お墓についてSTVのYouTubeチャンネルでアンケートをとったところ、5割以上の人が少しでも気になることがあると答えました。
なかには親の代で墓じまいしてほしいと願う人もー
墓じまいのあとは別の場所にあるお墓や納骨堂、あるいは合同墓地などにお骨を移すことになるため、まずはいまあるお墓について知ることが大切だといいます。
(公益社団法人 全日本墓園協会 横田睦主幹研究員)「墓じまいで墓がなくなるわけじゃなくて、墓の引っ越しですから。引っ越しする転居先を合葬墓にしましょう、樹木葬にしましょうということを選んでしまうところから始めるケースというのが珍しくないんですけど、それは間違いでトラブルの元になります。移してくるお骨の数がいくつなのかわからないままに引っ越し先を選んでしまうのはどうなんですか。まずは現状、お墓がどうなっているのかの確認というのが必要」
先祖を思う気持ちと現実的な子孫への負担。
多様な価値観や時代とともに墓事情に変化が起きています。