２０２２年４月、北海道・知床沖で観光船「ＫＡＺＵⅠ」が沈没した事故で、釧路地検は先ほど、運航会社の桂田精一社長を業務上過失致死の罪で起訴しました。

「知床遊覧船」の桂田精一社長（６１）は２０２２年４月２３日、運航管理責任者として安全を確保する義務を怠り知床沖で観光船を沈没させ、乗客乗員２６人を死亡させた疑いで逮捕・送検されました。

検察などによる取り調べが進められ、釧路地検は勾留満期の９日、桂田社長を業務上過失致死の罪で起訴しました。

船の操縦に直接関わっていない人物を起訴して刑事責任を問うのは異例で、結果の重大さなどを踏まえて起訴する判断に至ったものとみられます。

桂田精一社長の起訴をうけ、被害者弁護団はコメントを発表しました。

「桂田氏に対する刑事裁判では、被害者家族の皆様が被害者参加の手続きをとることが見込まれます。弁護団は引き続きご家族の皆様に寄り添いながら、なぜこのような事件が起きたのかを公判の中で明らかにするとともに、刑事裁判という場を通じて、改めてご家族の皆様の想いを社会に訴えかけていきたいと考えています。また、桂田氏の刑事責任の追及はもちろんのことですが、今回の刑事裁判が今後二度とこのような事件が起こることのないように、社会全体で再発防止策を考えていく契機になることを願っています」